中国の徹底した新型コロナの水際対策
中国の新型コロナウイルス感染対策は非常に徹底しており、時として人道的配慮に欠けると思われるほどである。同国の現在の水際対策を紹介する。
◆中国入国制限の変遷
パンデミックの勃発により、外国人の入国を一時的に禁止した国は少なくないが、大抵は査証(ビザ)や居留許可を持つ人は入国禁止の対象にはしなかった。そんななか、中国は日本同様、長く訪中ビザや居留許可を有する外国人の入境を禁じた国で、期間は2020年3月28日から9月27日まで6ヶ月にも及んだ。その間、入国禁止対象外となったのは、外交や公務を理由とする人や航空会社乗務員だけであった。
つまり、一般の外国人会社員やその家族らは、居留許可を持つにもかかわらず、生活の本拠地である中国に戻れなくなったのだ。2020年2月ごろは、まだまだ中国より日本のほうが安全だと考えられていたため、中国在住者の妻子が一時帰国する例も多かった。そのため、長い休校の末、ようやく学校が再開した際も、国外にいて復学できない生徒が多く出た。たとえば、上海の日本人学校3校が授業を再開したのは5月25日のことだったが、「登校を希望するおよそ1700人の6割が(その時点で)日本にいる」状態だった(NHK、2020/5/25)。