米議会襲撃、内部協力者の疑い 周到な計画の可能性
1月6日にアメリカの首都ワシントンDCで起こった連邦議会議事堂襲撃事件からはや10日以上が過ぎたが、アメリカではいまも毎日同事件の話題がトップニュースを独占している。多くの人々が発生当初、この襲撃事件はトランプ大統領の言葉に興奮した支持者がエスカレートして偶発的に起こしたと思っていたが、その後、数々の証言やビデオ、ソーシャルメディアなどから、次第にこの事件が計画的に実行されたものだったということがわかってきた。ジョー・バイデン次期大統領をはじめ、多くの政治家やジャーナリストは、この事件を公正な選挙結果を無効として政府転覆を図った「ドメスティック・テロリズム」と呼び、テロ事件として扱っており、現在はFBIなどによる捜査が行われている。
◆事件前日トランプ支持者が議事堂ツアー
そんななかで、事件当時議事堂内におり、あわや暗殺の危険にさらされた議員たちから新たな疑惑が浮上してきた。それは、乱入者たちが、慣れない人には迷路のように感じられるという議事堂内部の構造を正確に把握していたという疑いである。CBSニュースによると、民主党のジム・クライバーン下院議員は、議事堂内部のわかりにくい場所にあるオフィスがターゲットになったと話し、「何か(怪しげなことが)起こっていたと信じている」「(乱入者は)どこに行くべきか把握していた」と語った。同議員によると、ドアに名前が書いてあるオフィスは無事だったが、同氏がほとんどの仕事をするもう一つのオフィスがターゲットになったと述べた。
また、マイキー・シェリル下院議員をはじめとする民主党議員数人は、襲撃事件が発生した前日の5日、共和党議員が「MAGA」(トランプ支持者)の衣服を着けた数人の人々に対し、議事堂内の案内をしている姿を目撃したと証言している。同議員は13日、ほかの議員30人以上とともに、連邦議会議事堂襲撃の1日前の1月5日に、訪問者に議事堂内の案内をしていた怪しい行動について捜査を行うよう要請した、と報告している。
また、ボストン・ヘラルド紙(電子版)によると、同じく民主党のアヤナ・プレスリー下院議員のスタッフは、同議員のオフィスにある非常ボタンが襲撃事件当日すべて撤去されていたと語っている。
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