中国は本当に「危ない」のか? 他国と異なる「ロックダウン」の意味
世界的に感染抑制に苦労している新型コロナ。海外でも再び、制限延長や強化に踏み切る国が多く出ている。パンデミックの打撃を最初に強く受けた中国も、部分的なロックダウンをしく国のひとつだ。日本には「中国からの入国者は危ない」という意識が根強くあるが、実際のところはどうなのだろうか?
◆集団感染に際しての徹底的な封じ込め
約1年前の1月23日、中国当局は武漢を対象に厳格な都市封鎖を行った。2ヶ月半後の4月8日、武漢の封鎖は解かれ、中国は徐々に「普通の生活」を取り戻していった。たとえば上海の屋外では、初夏にはほとんどの人がマスクを外していたし、地方を越えての移動も可能になり、かなり自由な空気となっていた。
その間、6月には北京の新発地市場、7月には大連の食品加工工場などで集団感染が発生したが、どれも徹底的な検査と部分的とはいえ厳しい移動制限を課すことで対処してきている。
たとえば、6月の北京のクラスターは、南西部の豊台区新発地市場で発生したものだが、これは同市が「6月6日、輸入症例を除けば50日間新たな発症者がいなかったとして、感染症の警戒レベルを引き下げた」(日経新聞、6/18)直後のことであった。このクラスター発生に際し、北京市当局はまだ7人しか感染確認されていない時点で、同市場周辺にある11の居住区を封鎖し、過去2週間に同市場を訪れた20万人を対象とするPCR検査実施を決めた。その後、同市場が段階的な営業再開を許されたのは8月15日になってからである。
別の例では、上海浦東新区で11月8日、感染者が見つかったときの上海市の対応も素早いものだった。ただちに200人を超える接触者と460件を超える食品や物品にPCR検査が施され、100名以上が集中隔離観察下におかれた。同時に当該地区を中級リスク区域に指定し、居住者らが上海から離れることを原則禁止とした。
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