感染力最大7割増のコロナ変異株 急遽ロックダウンでイギリス混乱

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 新型コロナウイルスの変異株による感染がロンドンなどで拡大していることから、イギリス政府はいくつかの地域を「ティア4」という最高レベルの警戒地域に指定した。これらの地域では原則一部例外を除き移動は禁止だ。規制開始前に故郷へ戻ろうとする人で駅のホームが大混雑するなど、クリスマス前の突然の発表は混乱を招いた。変異株の感染拡大への不安が増大し、ジョンソン英首相の迷走する対応に批判も出ている。

◆手遅れになる前に 急遽移動禁止
 新たな規制の対象となるのは、ロンドン、イングランド南東部、東部など。ティア4に指定されると住民の外泊は禁止となり、他地域の住民の出入りもできない。建設、製造業など在宅で仕事をできない人を除きテレワークとなり、生活に必要不可欠な店舗や施設しか営業できない。他人と会うのも屋外の公共の場で1対1が基本となる。ティア4地域以外の住民も、地元に留まるよう指示されている(英政府発表)。

 イギリスでは、クリスマス期間の規制緩和が予定されていたが、ティア4地域では取りやめとなり、ほかの地域でもクリスマス当日だけに限定された。慌てて政府が厳しい規制に乗り出した理由として、変異株が急速にほかの型のウイルスに置き換わっていること、ウイルスの重要と思われる部分に影響を与える変異をしていること、変異のいくつかはウイルスが細胞に感染する能力を高めることがすでに研究室で示されていること、が上げられている。本来ならより詳しい研究が必要だが、結果を待っていると手遅れになるかもしれないことから、対応を急いだようだ(BBC)。

Text by 山川 真智子