日本の曖昧な対応にも限界? コロナ優等生・東アジアに試練

Hiro Komae / AP Photo

 新型コロナウイルスの感染対策は、東アジアでは比較的成功していると見られてきた。日本、韓国、香港などは、感染者が増えても欧米のような爆発的拡大には至らず、ロックダウンなしで乗り切ってきた。しかし最近の1日当たりの感染者数は記録的な数字となっており、従来の感染対策の限界も見えてきたようだ。

◆東アジアがピンチ? 感染拡大深刻
 香港ではこの1年、ウイルス撃退の後、すぐに次の感染が始まるという繰り返しだった。現在は第4の波に襲われており、直行便を利用すれば隔離や検疫なしで入国を許可するというシンガポールとの「トラベル・バブル」協定の開始も先送りとなった。

 韓国は、これまで教会や反政府抗議運動での大感染を大量検査と追跡で乗り切ったが、12月16日には過去最多となる1078人の新規感染者数を記録している。政府は感染の規模がさらに拡大すると見ており、警戒レベルを引き上げることも含め、さまざまな対策を検討中だ(聯合ニュース)。

 日本はダイヤモンド・プリンセス号の教訓から「3密」の回避を呼びかけ、クラスターを見つけて少ない検査数でも効果的に感染を抑制してきた。初期には海外から感染を隠しているのではとさんざん叩かれたこともあったが、いまではエコノミスト誌をはじめ多くのメディアに、他国より新型コロナをよく理解していると称賛されている。しかし、最近では1日の感染者数は2000人を超え、東京、大阪、札幌などの都市部では医療崩壊も心配される事態となっている。いまの感染は若者が多かった夏とは違い、40代以上にも広がっている。

Text by 山川 真智子