感染に怯えるベビーブーマー、就職できないZ世代……各世代を襲う新型コロナ
◆苦悩続くミレニアル、就職できないジェネレーションZ
ミレニアル世代(1981年〜2000年代初頭)は、すでに大きなハンデを抱えている。2008年に起きた世界同時不況の影響を強く受け、親世代に比べてキャリアで遅れをとっていたり資産形成が困難だったりするからだ。ボストン・カレッジの退職研究センターによると、2008年の世界同時不況期に卒業したミレニアル世代は、2018年から10年後の賃金と手当がベビーブーマー世代とジェネレーションX世代の同年齢期よりも低いという(アルジャジーラ、11月10日)。またCNBC(5/26)によると、ミレニアル世代の世帯の4分の1が資産を上回る負債を抱えていることや、6人に1人は緊急事態に400ドル(約4万2000円)の現金を調達することができない。このハンディキャップを挽回するのは容易ではないと見られており、ミレニアル世代が親世代と同程度の裕福さを手に入れられない可能性がある。
この混乱の最中、生まれて初めて労働市場に参入することになったのが1997年〜2012年生まれのジェネレーションZ世代だ。わずか10ヶ月前、アメリカの失業率は過去最低となり、史上最長の景気拡大に胸を膨らませていたはずだ。しかしコロナウイルスの流行が拡大すると状況が一変。新入社員の採用は取り消され、インターンシップも一斉に中止された。ピュー・リサーチ・センター(6/9)によると、コロナウイルスによる都市封鎖期間中に解雇される可能性が最も高かったのは18歳から24歳までの人たちで、その3分の1近くが職を失ったという。
就職という入り口でハンデを負ったジェネレーションZ世代は今後数十年間、パンデミック関連の影響を受ける可能性がある。このパンデミックが彼らのキャリアだけでなく、将来住宅を購入する力があるか、子供を育てる余裕があるかなど、今後の人生のすべてに影響を及ぼすことになるかもしれないとも言われている。
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