なぜ人は陰謀論を信じるのか? 人間の本能を突く巧妙な仕組み

Qアノン支持を示す人々(ルーマニア・ブカレスト、8月10日)|M.Moira / Shutterstock.com

 アメリカで多くの信奉者を集めるQアノンが撒き散らす陰謀論は、海を越えヨーロッパにも入り込んでいる。多くの警鐘が鳴らされているにもかかわらず、人はなぜフェイクニュースや陰謀論に飛びつくのか。

◆海を渡って広がる陰謀論
 2016年のピザゲートに始まる陰謀論の概略は、ディープステートなる秘密結社が存在し、児童売買・売春組織を世界に張り巡らせているというものだ。ロンドンに本拠地を置くインスティチュート・フォー・ストラテジック・ダイアログ(ISD)がまとめた報告書によれば、この陰謀論はアメリカに留まらず、大陸を越え世界的に広がっている。同機関の調べによれば、2019年11月から2020年6月にかけてツイッターでQAnonに関する発言が多かった国トップ5は、上からアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ドイツと、ヨーロッパ大陸の国を二つも含む。

 フランスアンフォ(7/30)は、英国の陰謀論を説くフェイスブックグループは2万人近いメンバーを数え、ドイツではYouTubeの陰謀論チャンネルに約10万人が登録しているとする。これらの国で囁かれる陰謀論は、それぞれの地域に合わせ登場人物の名前が変わっている。曰く、ドイツではアンゲラ・メルケル首相が、イタリアではジュゼッペ・コンテ首相が、フランスではエマニュエル・マクロン大統領がディーブステートの操り人形とされる。イギリスのボリス・ジョンソン首相はといえば、トランプ大統領同様Q側の権力者とみなされる。アメリカと比べれば信奉者は少ないとはいえ、フランスでは、パンデミックに関する別の陰謀論と絡んで広まる傾向があり、注意が必要だ。

Text by 冠ゆき

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