共和党州にもマスク着用令拡大 対策緩い中西部州で感染者増加
アメリカでは同ラリー開催前、このイベントによる感染拡大が予想されていたが、予想通りとくにサウスダコタ州および近隣州で感染が拡大したようだ。近隣ミネソタ州の「ミネソタ・パブリック・ラジオ(MPR)」によると、同州からこのイベントに参加した人86人が感染し、うち4人が入院、1人が死亡したという。またニューズウィーク(電子版)によると、11月17日時点でノースダコタ州では新型コロナウイルスの死亡率が世界一高くなり、住民1000人に1人の確率で死者が発生したという。このように、最近まで規制が緩かった中西部州で感染拡大が爆発するのは時間の問題だったとも言える。
◆全米13州でいまもマスク着用義務なし
このような状況を受け、最近になってやっと中西部でも新型コロナ対策をとる州が増えてきた。政治情報サイト『ザ・ヒル』によると、ユタ、アイオワ、ノースダコタ、オハイオの各州では11月になってようやくいままでの政策を転換しマスク着用令を発令した。しかし、サウスダコタ、ネブラスカ、ワイオミングをはじめ、全米13州でいまもマスク着用が義務付けられていない。ABCニュースの「全米マスク着用令マップ」によると、上記のほか、アラスカ、ジョージア、アイダホ、フロリダなど、そのすべてが共和党知事の州である。
トランプ政権ではこれまで新型コロナウイルスを軽視し、「民主党のデマ」「選挙が終われば消える」などと公言してきたことから、トランプ氏支持者の多い共和党州ではいまもマスク着用やロックダウンに強い抵抗感があるようだ。
アメリカでは11月に入り、製薬会社のファイザーやモデルナから高い有効性と安全性を示すワクチン開発が次々と発表され、来月にも最も危険性が高い人口に対するワクチン接種が開始される予定だ。しかしワクチン接種が完全に終わるまで、感染拡大はマスク着用が徹底しない限りこのまま続きそうである。
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