第二波に苦しむヨーロッパ、次々と規制再強化 試される連帯

Lewis Joly / AP Photo

 10月に入り新型コロナ感染が急激に再拡大しているヨーロッパ。部分的移動制限、夜間外出禁止令を経て、全国規模のロックダウンに踏み切る国も出てきた。刻々と変わる欧州のパンデミック対策について、現時点での状況をまとめてみたい。

◆感染者数は7月頭から16倍に
 アジアやオセアニアでは、新型コロナの感染者数は減少傾向にあるように見えるが、世界を見渡せば、パンデミックの広がりはまだまだ加速し続けている。5minutes RTL(10/31)によれば、10月最終週、世界ではこれまでで最多となる一日平均47万6000人の新規感染者が記録された。これは前の週を20%上まわる数だ。世界の中でもヨーロッパの感染拡大が最も顕著で40%増。10月最終週は一日平均24万1000人に増加した。10月半ばのヨーロッパの新規感染者数は一日平均10万人近くだったことを考えると、2週間で2.4倍以上に膨れ上がったことになる。さらに4ヶ月前の7月頭の1万5000人と比べると16倍の数だ。

 国別の新規感染者数グラフを見ると、欧州のどの国も9月中はまだ緩やかな増加を描く曲線が、10月に入ると急激に上向きになっている。感染者数増加に伴い入院患者の数も急増している。『アンテルノート』(10/31)によると、10月最終週には、少なくとも欧州の14ヶ国が最多の(週間)入院患者数を記録し、医療システムへの負担が深刻な問題として浮上してきた。

Text by 冠ゆき