欧米で増える「睡眠離婚」 二人の関係を守るための選択

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映画やドラマなどを観る限り、欧米の夫婦は仲睦まじく1台の大きなベッドを共有して眠りにつくケースが主流に思われる。しかし実際にはいびきや寝相などがお互いの睡眠の妨げになっている場合も多いことから、愛し合っているが寝床は別とする「睡眠離婚」を考えるカップルが増えているようだ。

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♦︎昔ながらのツインベッドが復活
イブニング・スタンダード紙(3月10日)では、編集者のスザンナ・ラムズデール氏が彼女自身の体験として、「フィアンセのことは愛していて、人として尊敬できるし、生涯一緒にいたいし、ほかにも言い尽くせないけれど……でも同じマンションの部屋に半年ほど一緒に住んだ時点で、別々の寝室で寝ようと私たちは決めました」と語っている。少しでも心に不安がよぎると眠れなくなるという彼女は、パートナーと睡眠サイクルが合わず、ひとまず日曜は別のベッドで眠ることにした。それがうまくいったことから次第にほかの日にも拡大し、いまではほぼ毎日別々の寝床で眠っているという。このようなケースは決して珍しくなく、英国ベッド協会によると、イギリスでは同居カップルの6組に1組が別々のベッドを使っている。

アメリカでもベッドを分けるカップルが増えているようだ。各種研究結果を紹介するスタディ・ファインド誌(3月15日)は、ツインベッドで夫婦が別々に寝る古い習慣が近年復活してきている、と述べる。アメリカの成人1000人超にアンケートを実施したところ、寝床をともにすることで睡眠の質が悪化すると考えている回答者の割合は75%にも上った。必要な睡眠を確保するために寝室を分ける「睡眠離婚」を実践しているカップルはすでに35%に達するといい、およそ3組に1組が別々のベッドで寝ている計算になる。

Text by 青葉やまと