緊急避妊薬、米では自動販売機でも 処方箋なしで購入できる北米

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 7月、ツイッター上で「#緊急避妊薬」「#アフターピル」がトレンド入りした。新型コロナウイルス流行の影響で望まない妊娠に関わる相談が増加しているとして、市民団体が緊急避妊薬の薬局販売などを求めた要望書を厚労省に提出したことがきっかけだ。

 緊急避妊薬について議論が行われるのは今回が初めてではない。それにもかかわらず、この動きを積極的に報じる日本の報道機関は多くない。同じように処方箋医薬品から市販化に至った北米では、どのような経過を辿ったのか。

◆「緊急避妊薬」「アフターピル」がトレンド入り
 緊急避妊薬とは、性行為後72時間以内に服用することで妊娠率を下げることができる薬だ。一刻も早い服用が望まれるが、現在の日本では医療機関を受診して処方してもらわなければ手にすることができない。医療機関が休みとなる土日や連休の場合は数日待つ必要があるなど、アクセスのしにくさが問題だ。また価格も6千円〜2万円ほどと高額で、とくに若年層にとってのハードルが高い。処方箋なしで薬局で購入できるようにしてほしい、価格を低くしてほしいという要望が高まっている。

 2017年、厚労省は緊急避妊薬の薬局販売について検討会を開き議論を重ねた。しかしパブリックコメントで圧倒的な賛成を集めたにもかかわらず(348件中、賛成320件、反対28件)、委員から時期尚早などとの否定的な意見が相次ぎ、薬局販売化は実現しなかった。

 今回、市民団体が厚労省に要望書を提出したことを受け、NHKが某番組内で緊急避妊薬をめぐる問題について取り上げた。そのなかで、日本産婦人科医会・前田津紀夫副会長が「『じゃあ次も使えばいいや』という容易な考えに流れてしまうことを心配している」との見解を示し、これに対してSNS上で批判の声が多くあがった。ツイッターでは「#緊急避妊薬」「#アフターピル」がトレンド入りし、注目を集めた。しかし、この流れを詳しく報じる報道機関は多くない。

Text by 中原加晴

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