どの素材のマスクが飛まつを抑えられるのか 米研究 手作り布マスクの効果は?
マスクを着用した話者の飛まつはどの程度拡散するのか。アメリカのデューク大学の研究者らは、14種類のマスクを用いた実験を行い、8月7日サイエンス・アドバンス誌にその結果を報告した。それを見ると、どんなマスクもほとんどの場合、着用しないよりはしたほうが良いことがわかる。
◆話すだけで感染し得る新型コロナ
新型コロナウイルスは、咳やくしゃみをせずとも、話すだけで感染することは5月にはすでに指摘されていた。たとえば、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に5月13日発表された研究は、「大きな声で話すと、毎秒数千の唾液の飛まつが放出され(中略)、空気の動かない閉じた環境では、(放出された飛まつは)8~14分間」空気中に留まることを報告している。
パンデミックが始まった当初は多くの国で理解を得られなかったマスク着用の重要性も、上のような事実が判明するに従い、いまではおおむね世界的に認識されるようになっている。
◆素材別マスクの飛まつ防御率
新型コロナまでは、マスクと言えば医療関係者向けのN95マスクかサージカルマスクを指し、いずれも使い捨てという認識だった。しかし、パンデミックの急速な拡大によるマスク不足は、世界の人々を布マスクに向かわせ、暑さ対策やおしゃれ演出も加わり、いまではさまざまな素材のマスクが巷に溢れている。だが、パンデミックにおける肝心の防御力はどれほどのものなのか? 今回の研究は、その疑問の一部に答える内容だ。
実験は以下のように進められた。まず、マスクを着用した話者が、暗く閉じられた空間のレーザービームに向かって話す様子を録画し、飛まつを映像でとらえる。次に、コンピュータアルゴリズムでこの飛まつを分析する。これを、マスクなしで同じ話者が同じセリフを言ったときに観察される飛まつと比べることで、着用者が発言時に口から飛散する飛まつをマスクがどの程度防ぐのかを調べたのだ。
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