経済再開と感染急増 ニューヨークとカリフォルニア、何が明暗を分けたのか

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◆家族や友人同士の気の緩みで感染増加か
 一方、カリフォルニア州はどうだろうか? 地元紙サンフランシスコ・ゲート(電子版)によると、同州のギャビン・ニューサム知事は感染拡大加速の理由として、刑務所内や介護施設、家族同士の集まり、そしてマスク着用を拒む人々の存在を挙げた。

 カリフォルニアはニューヨークとは地理的条件や気候、ライフスタイルが大きく異なっておりオープンな雰囲気で、夏になると家族や友人同士で気軽に集まり、バーベキューやアルコール飲料を楽しむことも多い。そして、そんな集まりにマスクをして参加する人はまずいない。気温が高ければなおさらである。前出のサンフランシスコ・ゲートの記事によると、カリフォルニア州ではこのような集まりが感染増加の4割を占めるという。このような集まりでは、皆リラックスして気が緩んでしまい、自然と距離が近くなるのだ。

 経済サイト『ウォレットハブ』によると、カリフォルニア州は全米で最も新型コロナウイルスのルールが厳しいが、目の付けどころが間違っているのかもしれない。徹底した検査実施、家族や友人同士のソーシャルディスタンス順守など、ニューヨーク州のようにガイドラインに沿い、一貫性のあるやり方で地道に努力を積み重ねていくのが正解だろう。

Text by 川島 実佳