アメリカの学校再開計画 ニューヨーク、カリフォルニア、ハワイ州の場合

AP Photo / Bill Sikes

◆カリフォルニア州の場合
 ニューヨーク州とは対照的に、カリフォルニア州の新規感染者数は3月以降右肩上がり状態が続いており、同州政府ウェブサイトによると、7月13日の新規感染者数は7346人だった。カリフォルニア州の情報を解説する非営利のニュースサイト『Calmatters.org』によると、同州では厳しいガイドラインのもと学校再開を予定している。ガイドラインには校内で生徒や教師、職員のマスク着用を義務付けるほか、学校の入り口で体温を測定する、教室内の机は6フィート(約1.8m)離す、校内の人数を減らすために校内とオンラインの両方でクラスを開催する、手洗いを奨励するなどがあがっている。

◆ハワイ州の場合
 ハワイ州では地理的条件が有利に働いているため、現在のところ累計感染者数は全米最低である。しかし最近は経済再開が進み州民の気が緩んできたためか、葬儀などでクラスターが発生。同州保健衛生局によると、11日は3月に初の感染者が確認されて以来最高となる42人の新規感染が確認された。それでも、すでに7月14日正午時点の累計感染者中73%にあたる921人が陰性となって検疫を終えており、現在の陽性患者数は321人と他州に比べ格段に少ない。
 
 ハワイ州では現在のところ8月初旬に全公立校の再開を予定している。現地紙ホノルル・スターアドバタイザー(電子版)によると、同州教育局は8月4日の全公立校再開に向けたガイドラインを公表した。それによると、同局では6フィート(約1.8m)のソーシャルディスタンス保持、校内でのマスク着用義務化、施設の清掃・消毒、オンライン授業の選択肢提供、窓の開放(これはハワイ州だからこそ可能)、飲食場所を教室、屋外、カフェテリアに分ける、生徒、職員、訪問者の健康チェックなどを推奨している。

 アメリカでは3月以降、夏休みまでオンライン授業が行われていたものの、家庭環境や就業状況によっては親が子供の学習状況を監視できない場合もある。オンライン授業となれば親も在宅しなければならない状況に陥り、場合によっては仕事に復帰できないことになる。

 子供の新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためには、ワクチンが開発されるまで在宅学習が最善であることは間違いないものの、多くの州では感染防止対策を実施しながら8月または9月に学校を再開する以外に選択肢はないようである。

Text by 川島 実佳