共和党州、民主党州でくっきり コロナ対策が厳しい州、緩い州

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◆予防対策徹底で感染抑制は可能
 予防対策が厳しい州では感染者数が少ないと思われるかもしれないが、数字を見ると決してそうとは言えない。そこには地理的条件や人口なども大きく関わっているようだ。現在全米で感染者数が最も少ない州はハワイ州で、同州保健衛生局によると、累計感染者数は1264人。うち921人はすでに回復している(現地時間7月14日正午時点)。米国勢調査局によると同州の人口は141万5872人(19年7月時点)なので、全体人口の感染率は0.089%と全米で最も低い。同州は他州と陸続きでないため移動が難しいこと、他州からの訪問者(帰還した住民含む)に14日間の検疫期間も設けていること、公共の場所におけるマスク着用などの予防対策を徹底していたことで感染者数を低く抑えられている。

 一方、予防対策が最も徹底しているカリフォルニア州の累計感染者数は同州公衆保健局によると33万6508人、死者数は7087人(現地時間7月14日時点)。米国勢調査局によると同州の人口は3951万2223人(19年7月時点)で、全人口比の感染率は現在のところ0.85%である。サンフランシスコやロサンゼルスなど人口密度の高い大都市を擁する同州は隣接する州も多いほか、メキシコとの国境も抱えており、移動を制限するのが困難なことは間違いなさそうだ。

 逆に、対策が最もあまい州1位であるサウスダコタ州では、同州保健局によると累計感染者数が7524人。感染者数だけ見ると少なく感じられるが、米国勢調査局によると同州の人口は88万4659人(19年7月時点)で感染率は0.85%となりカリフォルニア州と同程度だ。

 一方、累計感染者数が40万3175人と全米最多のニューヨーク州は感染拡大の鎮静化に成功。同州保健局によると、7月13日の新規感染者数は912人で、現在の「ホットスポット」であるフロリダ州の保健局が公表している同州新規感染者数と比較すると格段に少ない。ニューヨーク州は、感染症流行下でも政府が厳しい予防対策を実施することで感染拡大抑制が十分可能だと証明する良い例だろう。

Text by 川島 実佳