共和党州、民主党州でくっきり コロナ対策が厳しい州、緩い州

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 アメリカで新型コロナウイルス感染者数の増加が続いている。累計感染者数は343万1574人、死者数は13万6466人である(7月15日午後1時34分時点)。しかし、アメリカには地理的にも政治的にも条件が異なる州が50州あり、州政府がそれぞれの州内で政策を決定することも多いため、国としてひとくくりにするのが難しい。従って、新型コロナウイルス感染拡大予防対策や州ごとの感染者数にも大きな差が出ているのが現状だ。

◆予防対策が厳しい州、あまい州
 では、同国内で新型コロナウイルス感染予防対策が最も厳しい、あるいは最もあまいのはどの州だろうか。経済情報・統計サイト『Wallethub(ウォレットハブ)』は、マスク着用、移動規制、集合規制、学校再開、経済再開、チャイルドケア、レストランやバーの営業など、18部門における各州政府の感染予防対策を調査。その結果、ルールが最も厳しい州の1位はカリフォルニア州(19.04)、2位はコロラド州(30.51)、3位はハワイ州(30.85)という結果だった。ちなみに、4位はニュージャージー州、5位はニューメキシコ州、6位はニューヨーク州。ルールが厳しい州は民主党寄りの州が多い。カッコ内の数字が低ければ低いほど対策が実施されているという意味だ。

 反対に、予防対策があまい州の1位はサウスダコタ州(86.95)、2位はウィスコンシン州(72.83)、3位はユタ州(72.80)だった。4位ワイオミング州、5位オクラホマ州、6位はノースダコタ州で、こちらは激戦州のウィスコンシンを除けばすべて共和党寄りの州である。ちなみに、対策が徹底されていない州は25位まですべて共和党州だった。どうやら、トランプ大統領に迎合して、新型コロナウイルス対策までも政治化されているようだ。

 いまだに新型コロナウイルスの感染状況を真実であると考えていないとみられるトランプ大統領は7月4日、サウスダコタ州のマウント・ラッシュモアで独立記念日の記念式典を行ったが、CBSニュースによると、その席で息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏の恋人のキンバリー・ギルフォイル氏の新型コロナ感染が確認された。

Text by 川島 実佳