相互信頼と自由、ロックダウンしなかったスウェーデンの人々の暮らし

春の晴天を楽しむ人々、 4月半ばマルメ市|筆者撮影

 新型コロナ渦において、それぞれの配慮ある行動に委ねられた緩やかな方策により、近隣諸国のような厳しいロックダウンをせず異端児的な存在となったスウェーデン。その包括的状況をお伝えした前記事を踏まえ、今回は、当国に在住する筆者が、そのなかで人々がいかに暮らしているかをお伝えしたい。

◆スウェーデンの対策を象徴する出来事
 前回の記事でお伝えしたように、スウェーデンが厳しい罰則をともなうロックダウンに至らなかったのは、それぞれが規律を守りながら生活するなか培われた互いへの信頼と尊重が築いた社会システムによるものである。そんなスウェーデンらしさをよく現した出来事があったので紹介したい。

 当国では4月の最終日を「ワルプルギスの夜」という祭りで祝う。大きな焚き火を燃やし、その周りに集まり春の訪れを喜ぶというものだが、大きな大学のあるルンド市では、毎年中心地の公園Stadsparkenでの行事にたくさんの学生が集まり、飲んで騒ぐのが伝統となっている。

 今年の行事は中止され、当日公園は封鎖されると告知された。それでも人が集まるのを止められない可能性を考えた場合、ほかの国では罰則や罰金を設けて阻止しようとするだろう。

 しかしスウェーデンでは違う。ルンド市行政はなんと、公園に大量の鶏糞を撒いたのである。公園には悪臭が漂い、どんちゃん騒ぎどころではなくなり、また芝生の育成にも役立つという、とんちの効いたやり方であった。人を制するためには、取り締まる代わりに知恵を絞るのがスウェーデン式なのだ。

Text by Tamami Persson

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