米、マスク着用に反発も 「個人の権利」主張 各地でトラブル

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◆マスク着用せず感染した人の「教訓」
 しかし、自分の権利を主張して無責任な行動をとった結果について、あまり深く考えていない人々も多い。たとえば、銃を所持する権利を主張して銃規制法に反対する人は多いが、銃規制をしなかった結果として、もし自分や家族が銃犯罪の犠牲になったとしたらどう思うだろうか。マスク着用のルールについても同様である。

 NBCニュースは、マスク着用のルールに従わなかった結果、新型コロナウイルスに感染したフロリダ州の男性と妻のケースを紹介している。この男性は新型コロナウイルスを「偽のクライシスだ」と信じ、マスクを着用しなかった結果、妻とともに感染して入院。本人は現在回復途中にあるが、妻は重篤状態でいまも人工呼吸器につながれたままだという。
 
 記事によると、男性はこの経験から学び、「これ(新型コロナウイルス)を軽くみてはいけない。政府の言うことを聞き、エキスパートのアドバイスを心に留めておくように」「いま思うと、初めからマスクを着用すべきだった」と語っている。

 アメリカではほとんどの州で外出規制が緩み始めているいま、多くの人々が感染リスクが減ったと勘違いして油断している。アメリカで今後、新規感染者数が劇的に増えないことを祈るばかりだ。

Text by 川島 実佳