新型コロナ、アフリカン・ソリューションへの希望

Jerome Delay / AP Photo

 2月14日、エジプトでCOVID-19の感染者が確認され、アフリカ大陸初の事例となった。その後、感染事例はアフリカ各国に広がり、4月30日現在の感染確認事例は約37,000件。55ヶ国中、現時点で事例未確認のコモロとレソト以外はすべての国で感染事例が確認されている(レソトは南アフリカに囲まれた小国。事例未確認だが国境封鎖とロックダウンを実施中)。

 筆者は現在、ロックダウン中の南アフリカにいる。同国は3月27日から当初21日間の予定であった全国的ロックダウン政策を実施。4月9日に2週間の延長が発表されたが、5月1日から段階的に封鎖を解除し、経済活動を再開させる予定だ。現在は国内線・国際線旅客機全便が運航停止で、国外への陸海路も封鎖されている。

 医療インフラの脆弱性、貧困層が直面する既存課題の存在などを踏まえ、COVID-19の感染拡大による損害は、人道面でも経済面でも他国のそれに比べてより深刻なものになることが予測されている。一方、全世界が同時に同じ課題に向き合ういま、アフリカの、アフリカによる、アフリカのためのコロナ対応に注目したい。

◆早期の対応を取ったアフリカ各国
 南アフリカで初の感染者が確認されたのは3月5日。それから約10日後にはシリル・ラマポーザ大統領のテレビ会見を通じた非常事態宣言が発令され、その1週間後には全国的なロックダウン実施が発表された。ロックダウン期間中も、政府からの継続的な政策発表と大統領によるテレビ会見を通じた、状況説明と経済対策の発表がなされている。

 世界各国でロックダウン政策の内容は異なるが、南アフリカは厳しい政策を取っている。医療サービスを受けるため、食品・医薬品の買い物のための外出以外は一切禁止(これらの不可欠なサービス従事者のみ出勤が許可されている)。酒類の販売や持ち運びも禁止。衣料品やホビー用品も販売禁止。ジョギングや犬の散歩も禁止。Uberも営業停止。自粛ではなく禁止であるため、違反すれば逮捕され、収監もしくは罰金が科される。各地に警察と軍が配備された監視体制だ。

Maki Nakata

 3月の段階で、ほかのアフリカ各国も早期対応に踏み切った。西アフリカのナイジェリアやガーナでは主要都市を中心に局地的なロックダウン。ケニアは完全なロックダウン政策は取っていないが、夜7時から朝5時までの夜間外出禁止が続いており、減税措置などの経済対策も発表された。

Text by MAKI NAKATA