健康に暮らせる国ランキング、日本2位 コロナとの闘いで有利か 英調査
♦︎充実の医療基盤、コロナとの戦いを有利に
世界の医療機関では日々新型コロナウイルスとの戦いが繰り広げられている。BBCは、本ランキングの順位とコロナへの対応状況には明らかな相関があると指摘する。各国の医療制度の実効性が、こうした最前線での取り組みを支える基礎体力になっているためだ。日本について記事では、直近では感染者数が増加しているものの、初期段階の封じ込めに成功したことで世界的に称賛されたと述べている。現在まで強制的なロックダウンなしで持ちこたえてきたのは、十分な医療リソースを持ち、早期の段階でウイルスの拡散を制御できていたためだと記事は分析する。
具体例として、CTスキャンの受診環境が整っていることが肺炎の症状の早期発見に役立っているようだ。東京在住のある医師は、とある無症状の患者がCT検査を受けた結果、肺炎が見つかったという事例をあげる。国内の検査数が少ないことは世界的に問題視されているものの、十分な医療基盤があるため、Covid-19の患者を早期に発見しやすい環境となっているとようだ。さらにBBCは、マスクを着用する習慣があることや、国民の6割以上が年に1度の定期健診を受診していることなど、日本の健康への高い意識もコロナの拡散防止に寄与しているとの見方を紹介している。
♦︎レガタム反映指数 他の順位は?
健康以外のレガタム繁栄指数に目を向けると、日本はほかに「教育」で世界7位、「安全と防衛」で世界10位、「企業の状況」で11位など好位置につけている。おおむねすべての項目で20位以内にランクする一方で、「自然環境」で23位、「経済の質」で26位、「個人の自由」で31位など、比較的ぜい弱なカテゴリーも明らかとなった。最も低いランクとなったのは人々の社会への積極的な関与を示す「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の項目で、スコア自体は評価対象となった167ヶ国の中央値に近かったものの、高い得点域にほかの多くの国が集中したことから、順位では132位と下位寄りの結果になっている。10年間で最もスコアが改善した項目は貿易インフラの質と市場の歪みを示す「市場アクセスとインフラ」で、順位を4つ上げて14位となった。
全項目を総合した順位では北欧諸国の健闘が目立ち、トップから順にデンマーク、ノルウェー、スイス、スウェーデン、フィンランドとなっている。日本はシンガポール、オーストラリア、アメリカに次ぐ19位となった。2009年以来、日本は総合ランクで19位から21位と、安定した位置をキープしている。健康の項目についてはシンガポールとともに上位の常連となっており、2010年以来、10年連続で2ヶ国だけで上位2位を占めている。
- 1
- 2