アメリカに経済再開の動き 各地でロックダウン抗議デモ

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 新型コロナウイルスが猛威を振るうアメリカ。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、感染者数は日本時間27日午後5時の時点で965,933人と、100万人にもうすぐ到達しそうな勢いである。早い州では3月、遅い州では4月から、事実上不要不急の外出を禁止するロックダウンが実施されたことにより、国民の多くが家に籠らざるを得ない生活が続いている。しかし感染するよりはマシということで、大多数は感染流行の収束を我慢強くじっと待っている。一方で、仕事に行けなかったり収入が途絶えたりした一部の人々がこの状況にしびれを切らし、ロックダウンを終了して経済を再開することを要求する動きがあちこちで出始めている。

◆ガイドラインに矛盾、トランプ氏の「解放しろ」ツイート
 そんななかでトランプ大統領は16日、ロックダウンから経済再開へ向けてのガイドラインを打ち出した。ホワイトハウスのウェブサイトによると、再開は3段階に分けて実行される。各州ではこの段階自体に入る前に、州内における新型コロナウイルスおよびインフルエンザの症例報告数や感染者数が14日間連続して減少傾向になければならない、医療関係者の感染・抗体検査の精力的な実施など、数々の条件を満たすことを要求されている。これら数々の条件を満たした後で、第1段階から第3段階まで徐々に経済再開を行っていく、というのが政府の方針だ。

 しかし、このガイドライン公表と前後して、ミシガン州で厳重なロックダウンを実施している民主党のグレッチェン・ウイットマー州知事に抵抗して、外出禁止令を破るデモを行う人々が現れた。その流れをキャッチしたのか、トランプ大統領は経済再開に向けたガイドラインを自ら公表後、ツイッターに「ミシガンを解放しろ」「ミネソタを解放しろ」などと、自分の支持者に抵抗をけしかけるような投稿をし、ガイドラインの内容とは正反対の姿勢を見せた。

Text by 川島 実佳