NY州「14%に抗体」どう見るか 分かれる専門家の意見 真の感染明らかに?

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 米ニューヨーク州は、州内での新型コロナウイルスの感染状況を把握するため、抗体検査を実施した。検査対象者の13.9%に抗体が確認されるという結果になり、現在考えられている以上に感染が大幅に広がっているという見方が出てきた。

◆無作為抽出で感染者続々 検査拡大も
 この抗体検査は、無作為に選んだ州内の食料品店の買い物客3000人を対象に行われたもので、現在感染している、または過去に感染したことを示す抗体があるとされたのは全体の13.9%に上った。ニューヨーク市だけで見ると、21.2%という高さで、この感染率が正しいとすれば、州内では270万人、市内では180万人がすでに感染しているという計算になる。ニューヨーク州ではこれまで約26万人の感染が確認されているが、それをはるかに上回る数だ。4月23日に結果を公表したクオモ知事は、数字は暫定的な分析によるものだと述べ、調査の方法論や詳細などは明らかにしていない。

 4月25日には、同知事は抗体検査をニューヨーク市の4つの病院でも医療従事者に対して行うと発表した。今後は公共交通機関のドライバーや警官にまで検査を広げていく予定だという。

Text by 山川 真智子