ドイツ国民の大半、外出制限緩和に反対 支持される政府のコロナ対策

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◆4割以上が外出制限継続に賛成
 新型コロナウイルス感染拡大の連鎖を抑止するべく独政府は3月23日から2週間、外出制限と接触禁止令を発効した。スーパーマーケットやドラックストア、薬局や郵便局は、いままで通り営業しているものの、その他一部の例外を除いてすべての学校や保育所、店舗や文化施設が閉鎖された。この規制導入からまもなく、新型コロナウイルスの1日の感染者数が4000人以上に達するようになった。これを受けて政府は、規制を4月19日まで延長した。その後、政府は外出や接触制限の緩和策を講じる予定だったが、市民の多くは規制緩和を早急に行うべきではないと声をあげていた。

地元紙に掲載されたドイツ連邦保健省の広告「イースター休暇も家に留まろう」筆者撮影

 そんななか、ドイツ通信社(DPA、本拠地ハンブルク)委託によるYouGovのアンケート調査が4月13日に公表された。YouGovはインターネットを通じた市場・世論調査に特化した会社だ。これによると、4月19日以降の規制に対して、44%が今後の制限継続に賛成、12%がさらに厳格な規制を希望、32%が規制緩和を望むとした(フォークス誌)。

◆段階的な学校再開とマスク着用を提言
 イースター祝日最終日の4月13日、ドイツの国立科学アカデミー(本拠地ハレ・ザーレ)は、17ページに及ぶ研究報告をもとに、段階的な学校再開と、バス、電車などでのマスク義務付けを提言した。

 この提言を踏まえて、政府は4月15日午後に国内16州の知事らとビデオ会議を開催し、今後の方針を示すと表明した。なお学校再開や細かい規定は全国一斉ではなく州によって多少異なることも予想されている。

 同アカデミーは独政府の重要なアドバイザーの一機関として専門家150名が在籍する。過去の在籍者には、理論物理学者アルベルト・アインシュタイン(独ウルム出身)や物理学者マックス・プランク(独キール出身)、自然科学者チャールズ・ダーウィン(英シュールズベリー出身)の名も連ねている。

イースター休暇中は天気に恵まれ、サイクリングに出かける家族が多かった。筆者撮影

 新型コロナウイルス治療薬やワクチンはいまのところ市場になく、感染の終息まで2年はかかるだろうといわれている。今年の夏休みは国内で過ごすことになるようだ。現在、ミュンヘンで毎年秋に行われる世界最大のビールの祭典「オクトーバー・フェスト」の開催も危ぶまれている。

Text by noriko spitznagel