検査だけではダメ 感染拡大国で足りなかった接触者追跡 新型コロナ

Jens Meyer / AP Photo

 接触者追跡は、公衆衛生においては感染症をコントロールする上で非常に大切だ。世界保健機関(WHO)も、新型コロナウイルス封じ込めには検査、隔離とともに接触者追跡が対応の基本だとしている。感染が爆発的に増えている国では、検査数を増やすことに目が向けられ、接触者追跡の大切さが見過ごされているという指摘がある。

◆軽視されていた? 接触者追跡は感染症対策の基本
 医療政策に関する調査・提言を行う米カイザー家族財団(KFF)は、新型コロナウイルス感染対策には、①検査能力の増強、②病院と集中治療室のベッド数の増強、③個人防護具や人工呼吸器など医療用サプライの増強、④接触者追跡と濃厚接触者の隔離が必要だとする。

 最初の3つは、全米の知事や市長が常に議論の中心とするところだが、④の接触者追跡が強調されることは少ないとKFFは指摘。ホワイトハウスの新型コロナ専門家委員会の会見では、最初の3点については十数回言及されているが、接触者追跡についての言及は1回しかなかったということだ。

 接触者追跡は、感染者の特定、状況評価、次の感染を防ぐための接触者の管理をするもので、感染症対策の主要な柱と言える。しかし連邦政府による強化の努力は見られないとし、足りないとされる検査数が拡大しても、接触者追跡のギャップは容易に埋まりそうにないとKFFは指摘している。

Text by 山川 真智子

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