新型コロナ:郵便物はどう扱うべきか? 配達側も対策
この状況のなか、同僚の1人は自らスーパーマーケット「ウォルマート」へ行き、消毒用ウェットティッシュ12缶を買い込んだ。郵便公社から消毒剤が十分に支給されないため、ペイン氏は除菌スプレーを持参し、手が触れる場所に使用している。
新型ウイルスは段ボール上に最大で1日間残存可能であることが、アメリカ政府に所属する科学者によって実証された。しかし、一定の条件下に置かれた研究室内での試験であるため、日常生活で実際に起きることが反映されていないこと、また、封筒などほかの素材についての検証も必要であることが、ジュリー・フィッシャー氏によって指摘されている。同氏は、ジョージタウン大学グローバルヘルス・セキュリティ研究センターにて微生物研究を行っている。
現実の世界では、小包や封筒はあらゆる気候条件にさらされ、ウイルスの残存時間はそれに左右されると同氏は話す。郵便物にウイルスが付着していたとしても、口や鼻へと進入しなければウイルスに感染することはないだろう。
「郵便物を開封した後は必ず十分に手洗いをし、鼻や口に触れないのであれば…… 郵便物自体や小包からの感染リスクは非常に低いです。ただし、郵便局職員にはリスクが伴います。職員同士、また一般の人々との接触があるためです。やはり、感染者との接触が最大のリスクとなります」と、フィッシャー氏は述べる。
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