「本当に大変」学校休校で先生代わり、悪戦苦闘する親たち

AP Photo / Craig Mitchelldyer

 新型コロナウイルスが流行するなか、6年生の息子が通うニューヨーク州バッファローの学校が休校となったロクサーヌ・オジェダ=バレンティン氏は、教科書と、学校が用意した数週間分の宿題を家へ運ぶため、買い物袋を手に校舎へと向かった。

 フルタイムで働くシングルマザーの同氏のように、アメリカ全土だけでなく全世界で数百万人の親が突如、子供の担任教師のような役割を担うことになり、仕事やほかの用事もこなしながら、教材の選別や学習計画の策定に苦戦している。

 学校を後にしたオジェダ=バレンティン氏は、「本当に大変です」と言う。4年生の娘の学校にも荷物を取りに行ったので、学校に立ち寄るのはこれで2度目だ。

 リモートで指導を行っている学区もあるが、それでも子供が集中して勉強に取り組めるよう親たちは苦心している。ほかの学区では、親が自ら教育サイトや授業に合った教材を探さなければならない。このような問題はどの親にも当てはまるものだが、テクノロジーを使いこなせない親や、自身の学力に不安がある親などは、ほとんどなす術がない。

 エデュケーション・ウィークの記録によると、アメリカでは、45州の公私合わせて11万8,000校が休校し、5,300万人の生徒に影響が及んでいる。当初、多くの学校が休校は短期的なものだとしたが、ウイルスの流行が加速するなか、親たちは今年度中(訳注:通常5月下旬または6月上旬)に授業を再開できるのか不安視している。

 カンザス州は、ほかの州に先駆けて今年度いっぱいの休校を発表した。低学年の生徒は1日30分、6年生以上の生徒は毎日3時間の学習を推奨するとしている。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事もまた、夏前に再開できる学校があったとしてもごく少数だとし、州内600万人超の学生とその家族に、長期的な計画を立てるよう要請した。

 ロサンゼルスに暮らすフェリベルト・ゴンザレス氏の3人の子供は、補講用に整備されていたオンラインプラットフォームで教師と毎日連絡を取り合い、そこでできる学習に1~4時間取り組んでいる。しかしゴンザレス氏は、この措置が一時的なものから日常的なものになるとはまるで考えていなかった。

「あのニュースは……多くの親が、本当にショックを受けたと思います」とゴンザレス氏は言う。

 オレゴン州ポートランドのケイティ・アーノルド氏には7歳の息子がいるが、息子は日中を母親のオフィスで過ごしている。同氏がケータリング会社の会計管理をしている間、息子はiPadと、母に借りたラップトップに夢中だ。

 オレゴン州は4月28日までの日程で休校措置を取っている。一部の学区では、自由参加型のオンライン学習を整備しているが、通常の授業の代わりとして扱われているわけではない。アーノルド氏の場合、息子の学区はバーチャルラーニングを検討しているが、アーノルド氏はインターネットから情報をかき集め、友人にもアドバイスを求めた。

「『スカラスティック』には無料で使えるものがたくさんありましたし、友人が教師をしているので、息子用に問題集のコピーをたくさん手に入れました。とにかく息子を退屈させないようにしています」と話すアーノルド氏は、『ABCマウス』のような学習サイトも利用している。

 同氏は休校が長引いた場合に備え、ほかの親とともに少人数で子供に勉強を教える計画を立てている。仕事の後の時間を、夜の勉強会にあてるのもやむを得ないという考えだ。

「そうして皆でがんばっていくつもりです」とアーノルド氏は言う。

 子供たちのスケジュールにどの程度の厳しさが必要なのかわからなければ、学術的なサポートをどこに求めればいいのかもわからず、自宅学習の経験者にアドバイスを求める親もいる。そこで注目を集めているのが、ナショナル・ホームスクール・アソシエーションだ。エグゼクティブ・ディレクター、アレン・ウエストン氏は、39ドルだった会費を値下げし、10ドルで参考資料や教材を利用できるようにしたと述べる。

 オンラインサイト『アウトスクール』のCEOを務めるアミール・ナッソー氏によると、2017年にスクールを立ち上げてからの受講者数が8万人であったのに対し、3月には1回の週末だけで2万人の新規申し込みがあった。同社は講師による授業を生配信するオンラインクラスを開催しており、各回5ドルから受講できる。同時にテレビ会議のような形式で、オンラインの学校を運営する無料セミナーも行っている。

 児童教育の研究者であるジェシカ・ローガン氏は、夫とともにフルタイムの仕事を在宅で行っている。その間、オハイオ州のコロンバス・シティ・スクールズが休校になって家にいる8歳と12歳の子供たちが二人そろって、勉強に関する質問を投げかけてくる。

「たくさんの親たちが、『毎日宿題をして6時間が終わってしまう』とか、『うちはそんな状況ではない』などと書き込んでいます。一体いつ自分の仕事が終わるのか。私には仕事がありますが、それは夫も同じです。私も夫も、子供たちに付き添って算数の問題集を解いたり、科学の実験をしたりするために丸一日休みを取ることなどできないのです」と、ローガン氏は語る。

「しかしどの親も状況は同じです。だから子ともが毎日宿題をこなせなくても、遅れをとることはないでしょう」と、同氏は言う。

 ワシントン州バンクーバーで教師をしているレニー・コリンズ氏は、自身の10歳と8歳の子供だけではなく、友人の子供2人と近所の2年生の勉強も見ることにした。

「月曜日、火曜日、木曜日に、5人をまとめて見ています。ほかの曜日は彼らとは別に(自分の子供を)見ています。こうして5日分の学習を手伝っています」と、同氏は言う。

 中学年の算数を教えているコリンズ氏は、「多くの人にとってある種の慰めになっているのは、この事態が自分の州にだけ起こっているわけではないという事実です。遅れをとるのはワシントン州だけではないし、自分の子供たちだけでもありません。全員がそうなのです」と語る。

By CAROLYN THOMPSON Associated Press
Translated by t.sato via Conyac

Text by AP

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