封鎖社会で人々はどのように励まし合うのか? 国を超えて共通点
◆「ちょっといい話」とチュートリアル記事
1月23日に武漢封鎖を決行した中国では、チャイナ・デイリー紙が、医療従事者らを今日のヒーローとして#everydayheroをつけて定期的に紹介している。同メディアは、最も感染がひどいと推察される時期にあっても、防護服を着て踊る看護師の姿や、退院する患者を祝福する映像を、悲惨なニュースの間に挟むことを忘れなかった。「ちょっといい話」を流すことで国民を鼓舞し、希望を抱かせる作戦だったのだろう。
それに相当する報道は、フランスではいまのところ目にした覚えがないが、その代わり「外出制限令中、良い精神状態を保つためのポイント5つ(『フランスアンフォ』3月20日)」だとか、「自宅で体操を続けるためのアプリとサイト(20ミニュット紙、3月29日)」「外出制限令:時間を過ごす文化プラン(ノートル・タン誌、3月18日)」というようなチュートリアル記事は複数見かけた。また孤独に滅入る人々の話を聞くため、慈善団体SOSアミティエが電話のヘルプラインを強化するような動きも出ている。
感染の不安と経済的打撃に加え、社会から遮断される状況は、人々に大きなストレスを与え、どの文化圏においても、なんとかその隙間を埋めようとする動きが起こっている。そうして、人は、「静」よりも「動」によって連帯感を共有しようとするし、音楽やアート、自然、スポーツといった、生きるのに「必須ではない」活動に、心の癒しを求めようとするのだ。