助かる患者を優先 新型肺炎でトリアージ指針、イタリア

Claudio Furlan / Lapresse via AP, file

 新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しているイタリアで、集中治療が必要な患者の優先順位を決めるためのガイドラインが発表された。今後感染が広がることを想定し、英米でもトリアージ(重症度によって治療の優先度を決め選別すること)の議論が進んでいる。

◆命の選別 全員は助けられない
 イタリアでは感染者はすでに2万4000人を超え、死者も1800人を超えた。アトランティック誌に寄稿したジョンズ・ホプキンズ大学のヤシャ・モンク氏は、すでに全員に適切な治療を行うには患者数が多すぎる状態だとする。医者や看護師の数が足りず、人工呼吸器も足りない状況だ。

 この状況を受けて、イタリア麻酔鎮痛集中治療学会(SIAARTI)は、異常事態において医療従事者が従うべき判定基準を示したガイドラインを発表した。これは、最大数のための恩恵を最大化するという原則のもと、必要とするすべての患者に集中治療をするのではなく、助かる可能性が最も高い患者を優先することを推奨する実利的なものとなっている。

 ガイドラインの執筆者は複数の医師だが、高齢で回復が望めそうにない者、余命の短い者を見捨てるという厳しい結論を出している。年齢に加え、持病の有無など患者の全般的な健康状態も考慮すべきとされている。これは深刻な持病のある患者の死亡率が高いとされていることに加え、高齢や虚弱な患者のほうが治療に時間がかかり、よりリソースを消費するためだという。ガイドラインでは、新型コロナ患者以外で集中治療を必要とする患者にも、この判定基準を当てはめるとしている

Text by 山川 真智子