船内隔離は適切だったのか? 感染急増で方針を変えたアメリカ クルーズ船の新型肺炎

Jae C. Hong / AP Photo

 新型コロナウイルス感染が船内で広がっているとし、アメリカはクルーズ船、ダイアモンド・プリンセス号で隔離中だった自国の乗客をチャーター機で帰国させた。当初は船内隔離が適切としていたアメリカだが、日々増加する感染者数を見て方針転換を決めたようだ。

◆チャーター機で帰国、米が方針転換
 船内には約380人のアメリカ人乗客がおり、2月19日を最終日とする2週間の隔離措置の後、感染が確認された人以外は民間機で帰国できるはずだった。CNNによれば、米政府は2月14日まで、船内隔離措置を受け入れており、乗客にも船に残るのが最良の解決策だと伝え、納得させていた。

 ところが15日の午後、東京のアメリカ大使館から、船内のアメリカ人乗客に退避プランの連絡が入ったという。米政府のチャーター機による帰国希望者には帰国後からさらに14日間の強制隔離が義務付けられた。帰国を希望しない者には、さらに14日間日本に残り、帰国前には症状がないことを確実にすることが求められた。この決定に、なぜいままで迎えに来なかったのか、なぜ突然180度方針を転換したのか、という質問が多数の乗客から寄せられた。

Text by 山川 真智子