国別ブランドランキング、日本2連覇 見直される日本の伝統的価値観

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◆企業のパワーは後退 W杯、五輪でさらなるチャンス到来
 ここまで褒められっぱなしの日本だが、懸念される点もある。エレクトロニクスや自動車などはいまでも評価は高いが、年々その力は後退している。プライスウォーターハウスクーパースの時価総額による企業ランキング100でも、10年前には6社がランクインしていたが、2019年発表のものでは、トヨタとソフトバンクのわずか2社となっている。

 報告書は日本の強いテクノロジーとイノベーションは消えてはいないが、国内向けにシフトしているとし、次世代新幹線「ALFA-X」や医療分野に貢献するロボット技術などは、まだブランドとして世界で認知されていないとしている。ユニクロやMUJIなどの人気ブランドは日本人気が続く限り安泰だろうが、消費者の嗜好は変化するとし、輸出品としての日本文化も衰える可能性はあるとしている。

 ただし、現在開催中のラグビー・ワールドカップ、来年の東京五輪などは強力な武器であり、これらの世界的イベントが日本へのポジティブな認識を深め、日本文化を真似、日本製品を買い、日本を訪れることへの人々のモチベーションを高めるだろうと述べている。そして生活の質、価値観、イノベーションのビジネス潜在性に投資を続けることで、日本は長期にわたり、世界の人々の心をつかんでいくことができるとしている。

Text by 山川 真智子