アメリカで最も人種統合が進んでいる州は? 最下位は意外な結果に……

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 アメリカ合衆国、と一言で言えど、本土から遠く離れた島々からなるハワイ州から世界経済やファッションの中心地である東部ニューヨーク州、そして南部フロリダ州までさまざまな州がある。各州に独特の文化や特徴、人種や民族が存在する。以前は白色人種が多数派で、絶対的権力を握る場合が多かったが、各国からの移民が増えるにつれてその様相は少しずつ変化しつつある。しかし、その変化の度合いはスピードも各州により微妙に異なるようである。また、人種統合の進み具合も州ごとに違っている。経済サイト『Wallethub』が行った統計の結果から、州ごとの「人種統合と人種間格差」の違いを検証してみたい。
 
◆人種統合がもっとも進んでいるのはニューメキシコ州
 同サイトでは、アメリカの全50州とワシントンD.C(ワシントン、コロンビア特別区)を、22の要素から人種統合進度を計測。その結果、人種統合がもっとも進み、人種間の格差が少ない州は次の5州であることが判明した。

1位・・・ニューメキシコ州(78.71点)
2位・・・ウエストバージニア州(76.48点)
3位・・・ハワイ州(75.08点)
4位・・・ケンタッキー州(74.86点)
5位・・・テキサス州(73.67点)

 1位のニューメキシコ州は「雇用・財産」で1位、「教育」で3位、「社会的・公民的関係」で3位だったが、「健康」では24位だった。ニューメキシコ州はメキシコ系などヒスパニック(中南米)系の住民が多く、文化面でも大きな影響を受けている。
 
 2位のウエストバージニア州は「雇用・財産」で13位、「教育」で2位、「社会的・公民的関係」で13位、そして「健康」では2位。3位のハワイ州は「雇用・財産」で2位、「教育」で7位、「社会的・公民的関係」で1位と上位につけたものの、「健康」では49位。(ハワイ州では人種間で健康上の格差があるようだが、同州に居住する筆者から見ると、一定の人種や民族に選択肢が限定されているということはまったくない。これは文化面で食事やエクササイズなど、ライフスタイルの選択差から来ていると思われる。)

 ちなみに、6位はワイオミング州(72.87点)、7位はデラウェア州(72.19点)、8位は「アリゾナ州」(72.12点)という結果だった。意外だったのは、ウエストバージニア州、ケンタッキー州、テキサス州の南部3州が上位5位までに入っていたことである。

Text by 川島 実佳