スリランカ同時多発テロ 背景を読み解く3つのポイント

Manish Swarup / AP Photo

 4月21日、スリランカを悲劇が襲った。最大の都市コロンボにある高級ホテル(シャングリラホテルなど)やキリスト教教会など8ヶ所を狙った同時多発テロ事件が発生し、これまでに253人が死亡、500人以上が負傷した。このテロ事件では、日本人1人が死亡、4人が負傷したことから、国内でも大きなニュースとなった。

 2002年10月に、インドネシア・バリ島のディストでアルカイダと関係を持つ東南アジアのイスラム過激派組織「ジェマーイスラミア」によるテロが発生し、欧米人を中心に202人が死亡したが(日本人も2人死亡)、それを上回る犠牲者数となり、近年で“アジアにおける最悪のテロ事件”となった。

 スリランカ同時多発テロ事件では、現在も捜査が行われており、いまだにわかっていないことが多い。しかし、この事件からはどんなことが読み取れるのだろうか。本稿では3つのポイントを挙げたい。

                                                                                                                 

◆国際性を有するテロ事件
 この事件では、イスラム過激派組織イスラム国(IS)の関与が濃厚となっている。これまでのスリランカの歴史で、テロといえば、タミル人(おもにヒンドゥー教徒)の分離独立派「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」と多数派シンハラ人(おもに仏教徒)との内戦が多く議論されてきたが、これは2009年5月に終結し、それ以降国内では目立ったテロの動きはなかった。しかし、今回のテロは、いままでのスリランカのテロの歴史からは説明がつかない。仮にLTTEの残党がテロを起こすならば、政府や軍、シンハラ人など“国内”権益を狙うはずであり、今回のように、欧米人やキリスト教権益を狙うことは考えにくい。

 欧米人など外国人が多く宿泊するホテル、イースター(復活祭)の祈りを行うキリスト教会を同時多発的に狙う計画性、また、できるだけ多くの犠牲者を出そうとするその暴力性や無差別性を考慮すると、暴力的な過激思想を貫くISの関与を想像するに難くない。

Text by 和田大樹