ハワイ、フレーバー付き電子たばこの禁止を検討 若者のベーピングを抑止

AP Photo / Audrey McAvoy

 たばこと電子たばこの販売を21歳以上の成人に限定するよう最初に踏み出した州が、新しいニコチン含有製品の取り締まりを検討している。ベーピング(蒸気を利用した吸引方法)を行うティーンエイジャーの増加を抑えるため、フレーバー電子たばこ用リキッドとフレーバーたばこを非合法化するというものだ。

 ハワイは、アメリカ連邦議会で禁止法案が可決される前にそのような禁止法案を採択する最初の州になる予定だ。サンフランシスコは、同様の禁止法を施行したアメリカ最初の都市である。

 法案では、クローブ(丁子)や他のフレーバーたばこ製品とともにマウイマンゴーやクッキーモンスターといったフレーバー電子たばこ用リキッドを禁止している。だが、メンソール味の煙草やベーピング用リキッドは禁止の対象になっていない。

                                                                                                                 

 ますます多くの高校生や中学生がベーピングによってニコチン依存症になっているという研究結果を踏まえ、禁止法の支持者たちは、ティーンエイジャーたちが電子たばこに魅力を感じにくくなるように仕向けたいと考えている。

 NPO法人のハワイパブリックヘルスインスティテュートに籍を置き、禁止法案を支持するロビイストのトリシュ・ラ・チカ氏は、「最近の若者たちはたばこを見て、『たばこなんか、うんざりだ。たばこなんか、つまらない』と言う。だから、綿菓子のような風味や、アイスクリームショップで売っているような甘ったるい風味のリキッドを彼らが手に入れられないようにすれば、そもそも喫煙に興味を示すことがなくなるはずだ」と語る。

 通常、電池を用いる電子たばこは、さまざまなフレーバーを加えたニコチン溶液を加熱し、吸入可能な蒸気を作り出す。ティーンエイジャーたちの間では、電子たばこは従来のたばこよりも人気があり、この蒸気は従来のたばこが燃えるときに生成されるタールや発がん性のある副産物を含まないため、一般的なたばこよりも毒性が低いという点で多くの専門家の意見が一致している。

 しかし、実際には、蒸気に含まれる化学物質が長期的にもたらす影響に関する研究はこれまでほとんど実施されていない。そういった化学物質の中には毒性を持つものもある。さらに、子供たちがベーピングを知ってしまうと、将来的に喫煙者への道を進みがちになると考えている研究者もいる。

 3月初旬、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、小売店が顧客の来店時に年齢確認を行った上で大部分のフレーバーたばこ製品の販売を制限するか、または、ベーピング用の商品を陳列する区画を個別に定め、この区画に立ち入るための年齢制限を設けるよう提言を行った。FDAは、ジュースの箱やキャンディ、またはクッキーに似せた包装を施すなどして、明らかに子供たちの購買欲をそそっているようなベーピング用製品の排除を優先するとしている。

 3月末、ハワイの学生たちは立法府の議員たちに対し、自分たちのクラスメートたちもバスルームやキャンパス内の人目につきにくい一角でベーピングを行っていたと証言している。さらに、煙をくゆらせて吐き出す様子を自ら撮影した動画をソーシャルメディアに投稿しているティーンエイジャーもいるという。

 ホノルル近郊にあるカポレイ高等学校の2年生、ページ・マッカーディさんは、「綿菓子のような甘い香りがする蒸気が立ち込めていたため、私はトイレに足を踏み入れることができなかった。そしてその後、ひどい頭痛に襲われたために終日、まったく勉強に励むことができなかった。ベーピングは学生たちにとって迷惑だ。禁止して欲しい」と州議会で証言している。

 ハワイ州保健局が2017年に実施した調査では、中学生の16%と高校生の26%が電子たばこを愛用していると判明した。さらに、2011年から2015年までの間に、ベーピングを経験したことのある高校生の人数が4倍に急増したという。

 ナショナルユースタバコサーベイでは、2017年から2018年までの間に、全米でベーピングを行うティーンエイジャーが78%増加したことが明らかになった。

 ハワイの保健機関は、青年期にニコチンを摂取すると注意力や学習能力を制御する脳の神経回路の発育を阻害し、衝動的な行動発作や気分障害が増加することから、ティーンエイジャーのベーピングはとくに問題であるとしている。

 フレーバーつきのベーピング用製品をすべて禁止してしまうと、メンソール系のタバコから得られる州の税収が危うくなるため、下院委員会は、メンソールを禁止法案から除外した。公衆衛生委員会の議長を務めるジョン・ミズノ下院議員は、フレーバーの有無にかかわらずタバコから得られる税収からそれぞれ年間、がん研究センターに1,500万ドル、救急車サービスに800万ドル、地域の健康センターに800万ドル、そして救急外傷センターに800万ドル拠出していると語る。だが、ミズノ議員の相方となるロズ・ベイカー上院議員は、この変更には反対の立場をとる。

 禁止法に反対する人たちは、電子タバコは従来のたばこを吸う喫煙者が減煙したり、禁煙したりするのを助ける重要な役割を果たしていると主張する。彼らは、電子たばこは禁煙をしようとする人々にとって、ニコチンガムやニコチンパッチよりも2倍近く効果が高いと結論づけたニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの最近の研究を引用している。

 ボルケーノファインエレクトロニックシガレットの営業広報部門を率いる副社長、スコット・ラザック氏は、フレーバー電子たばこを禁止した場合、ベーピングをたしなんでいた人々が従来のたばこを吸う喫煙者に戻ってしまうだろうと危惧している。

 ラザック氏は、「成人ベーピング愛好家コミュニティの75%の人々が従来の喫煙者に戻ってしまいかねないことを考えると、このベーピング禁止法はそれほど価値あるものなのだろうか?」と問いかける。

 ラザック氏は、この禁止法案が自身のようなハワイの独立系小売業者を「壊滅」してしまうだろうと予測していた。同氏は、ハワイの3つの島々に16の店舗をもち、100人の従業員を雇用している。

 ソフトウエア技術者である30歳のトレバー・フセイニ氏は、これまで10年以上、たばこを1日に1箱吸うヘビースモーカーだったが、ベーピングに出会うまでは、禁煙したいと考えてあれこれ試しても何一つうまくいかなかったと語る。フセイニ氏は、ベーピングに切り替えてからは、最終的にはベーピングを完全に止めることを視野に入れて、段階的にニコチンの摂取量を減らしてきた。

 フセイニ氏は、禁止法が施行されると人々はアメリカ本土からオンラインでベーピング製品を注文するようになるため、闇市場が形成されると思うと語り、「禁止されたとしても、皆、なんとかしてフレーバーリキッドを入手しようとするだろう」と述べている。

 昨年、R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーは、サンフランシスコの有権者に対し、このフレーバー電子たばこ禁止法を拒絶するよう説得するため1,200万ドルを投じたが、不成功に終わっている。ハワイにおける禁止法案は、住民投票を必要とする対象になっていないため、そのような巨額の支出は見られない。しかし、禁止法に反対する広告は掲出され続けている。アメリカの代表的な電子たばこメーカーであるジュールラブズは今年、初めてハワイ州議会にロビイストとして登録を行った。

 別の法案に従い、従来のたばこに併せて電子たばこの売り上げにも税が課せられる予定だ。

「我々は、たばこへの課税に似た方法を採用することで、より多くの若い人々が電子タバコを試し、病みつきになって、末永く愛用するようになることを望んでいる」と、別の法案の主執筆者であるベイカー上院議員は語る。

 ミネソタに本拠を置く非営利団体のパブリックヘルスローセンターによると、既におよそ10の州が電子たばこに課税しているという。同センターの弁護士、マーク・ミーニー氏は、課税はたばこの消費を抑止するための最も効果的な方法の1つであると話す。

 州の上院は、いずれの法案も可決した。下院本会議の審議に進むために、4月5日までにどちらの法案も下院金融委員会で可決される必要がある。

By AUDREY McAVOY Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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