生理用品を女子学生に無料配布、イギリス 「月経の貧困」撲滅へ

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 生理用品を買うお金がない、または利用できない環境にあることを「月経の貧困(Period Poverty)」と呼ぶ。イギリスでは、生理用ナプキンやタンポンが買えず、学校を休まざるを得ない女子学生がかなりの数に上るとされている。スコットランドではすでに2018年から女子学生に無料の生理用品支給が始まっており、イングランドでも中高生を中心に、生理用品が無料で提供されることが決まった。

◆生理用品は高級品? 先進国でも買えない女性多数
 フィリップ・ハモンド財務相は、「月経の貧困」対策として、次年度新学期よりイングランドのすべてのセカンダリースクールとカレッジ(通常11歳から18歳まで)の女子学生に、無料で生理用品を提供すると発表した。

 子供のためのチャリティ「プラン・インターナショナルUK」が、2017年12月に行ったイギリスの女子と女性1000人を対象にした調査では、10%が生理用品を買えない、15%が買うのに無理をしていると回答した。さらに14%が生理用品を買えず友達から借りたことがある、12%が間に合わせの生理用品を使用していると答えている。BBCによれば、ナプキンやタンポンが買えない子供たちは、ティッシュ、台所のキッチンペーパー、靴下などで代用しているという。英労働党議員、ドーン・バトラー氏は、世界で6番目に豊かな国イギリスに「月経の貧困」が存在することは恥ずべきことだと話している(CNN)。

Text by 山川 真智子