ウイグル弾圧の「驚くほどひどい」実態 収容所で拷問、洗脳……西側メディアで非難相次ぐ
中国が新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒を中心とした少数民族への弾圧を強めているという見方が広がっている。中国の厳しい取材規制により現地から直接報道できないなか、複数の欧米メディアが、中国共産党への忠誠心を植え付けることを目的とした「強制収容所」の存在を強く非難する社説を掲載している。一方、アメリカ政府は政治的な思惑に左右され、煮え切らない態度を続けている。イスラム国家の多くも中国の経済的影響力により積極的にウイグル支援に乗り出せないのが現状だ。
◆1000万人のうち150万人が強制収容所に?
国際人権団体によれば、新疆ウイグル自治区では、ウイグル人などのイスラム教徒約100万人が収容所に入れられている(AFP)。英紙ガーディアンは、著名イスラム専門家の試算を根拠に、その人数はもっと多い150万人だとしている。ちなみに、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒は約1000万人とされている。
厳しい取材規制のため、収容所の実態ははっきりしていないが、生還者や反体制活動家、イスラム研究者らの報告によれば、人々は劣悪な環境のキャンプに押し込められ、暴力や拷問を伴う政治的な洗脳を受け、北京語以外の言語の使用が禁じられているという。米シンクタンク、ケイトー研究所のイスラム学の専門家、ムスタファ・アクヨル氏は、「人々はイデオロギー的な講義を受けること、中国共産党を賛美する歌を歌うこと、自己批判の作文を書くことを強制されている」と、ニューヨーク・タイムズ紙の記事で語っている。
ガーディアンは、収容者のバックグラウンドは、男女を問わずコメディアン、有名歌手、研究者、年金受給者、公務員など多岐にわたり、「完全に影響を免れているウイグル人家族は存在しない」という研究者の見解を紹介している。そうした収容者は、逮捕・裁判というプロセス抜きに収容所に押し込められているとされる。
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