不正入学で逮捕された女優、「寄付入学」でお咎めなしの富豪 アメリカ

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◆「特別扱い」の自覚がないトランプ一家
 そんななかで、このニュースに反応したのがドナルド・トランプ大統領の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏である。ジュニア氏はスキャンダルが起きた12日、ツイッターで、「ハリウッドが妙に静かだと思うのは俺だけか? 皆どうしたんだ、いつもは大きな声で自分の意見を人に押し付けるのに、いったい何が変わったんだ?」と嘲った。

 政治サイト『マザージョーンズ』はジュニア氏のコメントについて、「ハフマンの贈収賄容疑について聞かれてもいないコメントをするトランプ・ジュニアが、深く自覚に欠けていることを思い知らされる」と述べている。

 トランプ大統領一家が卒業したのは、ペンシルベニア州にあるペンシルベニア大学ワートン校というアイビーリーグだ。同州のフィラデルフィア・インクワイアラー紙(電子版)は14日、「大統領の家族は金とコネを使って完璧に合法的な方法でペンシルベニア大学ワートン校に入学したと報道されている」と述べている。

 同紙はまた、ジュニア氏と大統領の娘イバンカ氏が同校に入学した1996年と2000年に、父親であるトランプ氏は同校に140万ドル(約1億2,300万円)の寄付をしていたと報じている。

◆クシュナー氏の父親もハーバード大に多額の寄付
 子供たちがエリート大学に入学する前に大学へ多額の寄付をしたのはトランプ氏だけではない。イバンカ氏の夫、ジャレッド・クシュナー氏の父親も、息子の合格前にハーバード大学に多額の寄付をしたと報道サイト『プロパブリカ』が報じている。同サイトによると、クシュナー氏の高校時代の成績は決してハーバードレベルのものではなかったらしい。

 同サイトの記事は、今回の不正入学スキャンダルが公に出るずっと前、トランプ氏が大統領に当選したばかりの2016年11月18日に公開されたものだ。

 トランプ氏とクシュナー氏の件があるからといって、今回の騒ぎで逮捕された親たちが許されるわけではない。しかし、大富豪が行って許されることが庶民に許されないのは不公平というものだろう。こうして世の不公平がまかり通っているのを見るたび、一般庶民たちの“特権階級や政治家への不信感”が募っていくのである。

Text by 川島 実佳