米確定申告で「トランプと共和党に騙された!」 ツイッターで庶民の悲鳴続出
◆「税金が返って来ない」庶民の悲鳴
ツイッターの「#GOPTaxSCAMStories」(共和党の税金詐欺ストーリー)というハッシュタグを見ると、
「1年前は4,000ドルの還付を受けたのが、今年は5,000ドル追加で支払うことになった」
「ヘイ、@realDonaldTrump @GOP(ドナルド・トランプ大統領と共和党のツイッターアカウント名)、私の還付金額は去年より44%も下がった。あんたの税制も、あんたも最低だ」
「今日確定申告をした。去年は4,000ドルも払い戻されたのに、今年は2,200ドル支払うことになった」
「今年は2万3,000ドル支払わなければならない」
という嘆きのツイートが次々と投稿されている。
去年まで還付があったのに今年は追加徴税される羽目に陥った人は大体が、これまであった「人的控除」などの控除項目がなくなり税金の控除額が減ったことから、政府に支払う税金が増えて打撃を受けたケースらしい。もちろん、個人最高税額が昨年までより下がったことや、一定の控除項目(または控除できる金額)が増えたこともあり、トランプ大統領のような資産家はこの税制改革でかなり得をしている。
そのよい例が、トランプ大統領の宿敵ともいえるアマゾンCEOでワシントン・ポスト紙のオーナーでもあるジェフ・ベゾス氏だ。シカゴ・トリビューン紙(電子版)によると、アマゾンの2018年の売上高は2,328億ドル(約26兆64億円)、しかし税金はなんと「0」だった。しかも、1億2,900万ドル(約144億円)の還付金を合法的に受け取ったという。
フォーチュン(電子版)の3月1日付の記事で、なぜこれだけ莫大な売上額を上げたアマゾンが今年税金を支払わないかを説明している。同記事は、アマゾンがすでに「これまであった税法で、アマゾンのような大企業が通常の税額を下回る法人税を課されていた」こと、そして「トランプ政権の税制改革に助けられている」ことの両方が理由であると指摘した。それもそのはず、トランプ氏による税制改革で、これまでの法人税最高税率35%が21%に大きく下がったのである。大きな利益を上げた大企業の場合はとくに、14%の差は莫大な額となるはずだ。
アマゾンの例を見ても明らかなように、トランプ氏の税制改革で得をしているのはベゾス氏やトランプ氏が属する富裕層である。それに比較して、打撃を受けているのはトランプ氏の支持基盤も含む労働者層だ。今回の確定申告の結果、2016年にトランプ氏を支持した人々が怒り、2020年の大統領選で反旗を翻す可能性もあるだろう。
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