ベゾス氏「タブロイド紙が脅迫」に至った背景 誰が下半身写真をリーク?
アマゾンCEOで世界一の富豪のジェフ・ベゾス氏は2月7日、自身のツイッターに「私とナショナル・エンクワイアラー、そしてその親会社であるAMI間の展開について執筆した」と投稿し、ネット出版サイト『ミディアム(Medium)』の「ノー・サンキュー、ミスター・ペッカー」というタイトルの投稿へのリンクを添えた。ナショナル・エンクワイアラーはアメリカのタブロイド紙で、AMIはアメリカン・メディア社(American Media Inc.)、「ミスター・ペッカー」はAMIのCEO、デービッド・ペッカー氏を指す。
ミディアムの投稿に綴られていたのは、ベゾス氏がナショナル・エンクワイアラー紙を出版するAMIの最高編集責任者から受け取った、ベゾス氏曰く「脅迫メール」の内容だった。そのメールには、AMIはベゾス氏の下半身裸の写真や、浴室でタオル1枚になって撮った自撮りを含むプライベートな写真を複数枚所持しており、ベゾス氏がAMIが政治目的で記事を掲載しているという批判をやめなければ、それらの写真を掲載するということが書かれていた。
ベゾス氏はメールを一般に公開したうえで、AMIからの要求を「強要と脅迫」と呼び、法的に真っ向から対立する姿勢を見せた。
◆ベゾス氏の不倫と離婚をタブロイド誌がすっぱ抜く
ベゾス氏は1月9日、ツイッターで25年間連れ添った妻のマッケンジー夫人との離婚を発表している。離婚の理由はベゾス氏の不倫であるといわれているが、ツイッターの声明で判断する限りは、とくに大きなトラブルのない円満離婚のようにみえる。アマゾンはベゾス夫妻が一緒に始めた会社であるため、夫婦が居住するワシントン州の法により総資産は二人で半分に分けることになると思われる。
一方、ナショナル・エンクワイアラー(電子版)は同日、「アマゾンのジェフ・ベゾスが映画界実力者の妻との不倫で離婚する」という見出しでベゾス氏の離婚を早々と報道。これは決して偶然ではなく、同じ記事によると、同紙は過去8ヶ月間、二人の不倫関係を密かに追っていたという。どうやら、記事が公開される直前に、ベゾス氏は先手を打ってツイッターで離婚を発表して火消しを図ったらしい。同紙はその後、1月21日にはベゾス氏と愛人のローレン・サンチェスさんの間で交わされたメッセージを掲載した。
しかし、ベゾス氏とAMIの敵対関係はもちろんこの不倫暴露に始まった話ではない。ベゾス氏のミディアムへの投稿によると、AMIのペッカー氏は、ベゾス氏が所有する米紙ワシントン・ポストがペッカー氏とサウジアラビアの関係を調査していたことで激怒していたという。そのためベゾス氏に対し前述したような脅しを行ったらしいが、世界一の富豪を相手にこのような行為をしようとすること自体が大きな間違いだった。
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