運転を年齢制限すべき? 97歳フィリップ殿下の事故で、英国で議論

Kirsty Wigglesworth / AP Photo

 イギリスのエリザベス女王の夫、フィリップ殿下が、休暇を過ごしていたノーフォーク州の公道で交通事故を起こした。本人は無事だったが、衝突した車に乗っていた女性2人がけがを負った。殿下はすでに97歳。法的には運転することに問題はないが、この事故をきっかけに、高齢者が運転を続けることの是非が議論されている。

◆難を逃れたのは幸運 車横転であわや大事故
 英メディアの報道によれば、フィリップ殿下が事故を起こしたのは、王室所有のサンドリンガム宮殿があるイギリス東部ノーフォーク州だ。脇道から広い道路へ出ようとした殿下のランドローバーは、28歳の女性が運転していた乗用車と衝突して横転。女性は膝を負傷し、同乗していた45歳の女性は肘を骨折した。女性の車には生後9ヶ月の男児も乗っていたが、幸いけがはなかった。

 横転した車に閉じ込められた殿下は、通りがかりの男性に救出された。二人の女性は病院で手当てを受けその日のうちに帰宅。殿下のほうは心配されるようなけがもなく、滞在先のサンドリンガム宮殿に戻ったという。女性、殿下ともに呼気検査を受けたが、陰性だったということだ。

 事件は大きく報じられたが、ノーフォーク警察は事故に関しては調査中と発表。王族が関係する事故で国民の関心は高いが、捜査が進む前から原因を推測するのは不適切と述べた。王室側は、殿下がけがをした2人の女性に個人的にお見舞いの言葉を送ったと発表したが、APによれば、女性たちはそのような事実はないとメディアに答えている。

Text by 山川 真智子