84歳で学位取得、テキサス州の女性「ビンゴゲームは性に合わない」

AP Photo / LM Otero

 ジャネット・ファイン氏は5人の子供を育て、長年勤めた秘書の仕事を77歳で引退した。ようやくくつろいだ日々を過ごしても良いものだが、それは彼女のスタイルではない。

 現在84歳のファイン氏は、先月テキサス大学ダラス校から学位を授与され卒業した。学業に復帰し、長年抱いていた目標が達成されたのだ。

「仕事を引退したときには何もすることがなかったし、ビンゴゲームは私の好みには合わないと思った」とファイン氏は話す。「実質的」だと感じた社会学を専攻した。

                                                                                                                 

「研究を発表したり、論文を書いたりすることは楽しいことばかりだった。どの授業も、私が既に知っていることは多かった。けれども同時に新たに学ぶことも多くあり、それが私にとって喜びだった」とファイン氏は語る。

 アメリカの大学生のうち、65歳以上が占める割合は全体の1%にも満たない。全米教育統計センターによる2015年の統計では、約2,000万人の全体数に対して約6万7,000人という割合である。

「いつも活動的で快活であること、心待ちにする何かを見つけること。これは本当に前向きな動機になります」と、テキサス大学健康科学センター・ヒューストン校で老齢化研究コンソーシアムの事務局長を務めるカーメル・ダイアー博士は述べる。

 テキサス州の公立大学において6単位までが無料で履修可能になるという、65歳以上を対象としたプログラムにファイン氏は参加した。テキサス州高等教育調整委員会によると、昨年の申請者は約2,000名だった。

「心の底から」学位が欲しかった、とファイン氏は話す。一人で暮らし、車の運転も自由気ままだった生活から、歩行器と酸素吸入装置が必要な状態に変わり、最終的に高齢者施設へ引っ越すことになっても、ファイン氏は授業に出席し続けた。その後ひざが動かなくなったため、学位取得の要件を満たすべく、1学期間は独学で勉強し、そしてオンラインで授業を受けた。

「彼女は挑戦半ばで諦めなかった……ただコツコツと頑張り抜きました」大学のアドバイザーであったシーラ・ローラーソン氏は述べる。

 トレイシー・グラス氏(40)は、クラス最前列に並んで受講して以来の友人である。

「私は彼女の右隣に座りました。そしてその後、学期の間中、変わらずにずっと友だちでした」とグラスは話す。女性運動のような世界的な出来事に関して、ファイン氏が実際に体験したことの記憶は議論を活気づけるものだったという。

「彼女は授業中に率直な意見をよく述べていました。そのおかげで授業がより興味深いものになったと思います。私たちが論じている時代のある出来事について、彼女は文字通り覚えているのですから」と、社会学のキャロル・シルリ・ランハム専任講師は話す。

 ニューヨーク市ブロンクス区で育ったファイン氏は、高校時代はただ卒業して仕事に就きたいと思っていたという。16歳にして早くも卒業した同氏は、服飾メーカーで秘書の仕事に就いた。結婚し、18年間は専業主婦として子育てをした後、数十年にわたっていくつかの仕事に携わってきた。2012年の引退まで秘書として働いていたダラスの整形外科病院には、20年間従事した。また、準学士を取得するために20年にわたって尽力し、1995年に授与された。

 ファイン氏の介護を行っている准看護助手のレネ・ブラウン氏は、同氏から刺激を受けてきたと話す。53歳である今、准看護師の資格を取るためのカリキュラムに登録するつもりだという。「レネ、あなたならできるわ。私ができるなら、あなたにもできる。すごく良い気持ちになると思うわ」ファイン氏はこのように話してくれたと語る。

By JAMIE STENGLE, Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

Text by AP