「移民はアメリカを汚す」FOXニュース司会者が発言、スポンサー24社失う

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◆「言論の自由」には自己責任がつきものの社会
 FOXニュースでは以前も、極右派の番組司会者ローラ・イングラハム氏が、銃乱射事件の生存者である高校生デイヴィッド・ホッグさんが大学の入学審査に落ちたことをツイッターで嘲けり、逆にホッグさんの反撃を受けて半数以上の広告主を失った経緯がある。イングラハム氏はその際謝罪(らしきもの)をしてしばらく身を隠したが、今回はカールソン氏もタイミング良く「事前に予定されていた」ホリデー休暇に入った。ほとぼりが冷めるのを待って復帰する作戦だろう。

 カールソン氏をはじめ、右派はこのような失言をした後に「左派はわれわれの言論の自由を奪おうとしている」と極端な主張に走り、共和党を支持する人々に危機感を植えつけようと企てることが多い。アメリカにはもちろん言論の自由はあるが、その結果として広告主や職を失うこともある。失言や暴言は個人の自由だが、その責任もまた自分で取らなければならないという「おまけ」が付いてくることも忘れてはならない。

Text by 川島 実佳