「昔は黒塗りメイクの仮装OKだった」有名キャスターが発言、番組降板することに

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◆「私が子供の頃はブラックフェイスをしてもよかった」
 そのような風潮のなか、NBCニュースの人気朝番組『トゥデイ』で司会者を務めていたニュースキャスターのメーガン・ケリー氏が、自身の番組で爆弾発言をした。CBSニュースの10月25日付報道によると、ケリー氏は10月22日、番組中にハロウィンのコスチュームについて語っている際、「白人がブラックフェイスをしたり、黒人がホワイトフェイスをしたりするとトラブルに陥る。私が子供の頃は、そのキャラクターに合った衣装を付けているならばそれ(ブラックフェイス)はオーケーだと考えられていたものだ」と語った。

 しかし、この発言で視聴者やNBCから批判を受けたケリー氏は、翌日態度を変えた。同ニュースによるとケリー氏は、「ブラックフェイスがこの国で人種差別主義者によりひどい方法で使われてきた歴史を考えると、それ(ブラックフェイス)をコスチュームの一部にするべきではないと学んだ」と前日とは反対の意見を述べている。

◆過去にも「ジーザスとサンタは白人」と発言
 しかし、ケリー氏の必死の弁解は遅すぎたようである。『ハフポスト』の10月23日付記事によると、ケリー氏はその後NBC社員に謝罪文書を送り、また23日の番組で視聴者に向かって謝罪した。しかし、『トゥデイ』に出演する黒人アナウンサーのアル・ローカー氏は同番組で、「事実、彼女(ケリー氏)はNBC社員に謝罪したが、(米)国中の有色人種全体に向けて謝罪する必要がある」と、ケリー氏による「ブラックフェイス擁護コメント」を厳しく非難している。

 ケリー氏は過去にも人種に関する問題発言をしたことがある。米政治サイト『ポリティコ』の2013年の記事によると、ケリー氏は同年FOXニュースのキャスターを務めていた際、「私は子供たちに、ジーザス(イエス・キリスト)とサンタクロースは白人だったことを知って欲しい」と発言して物議を醸した。

 もしイエス・キリストが実在した人物で、2千年以上前の中東(イスラエル)で生まれていたならば、彼はまず間違いなく白人ではなかったはずである。また米『ヒストリーチャンネル』によると、サンタクロースは3世紀頃、現在のトルコがある地域に実在した僧「聖ニコラス(St. Nicholas)」がモデルであるという。つまり彼も中東系、あるいはギリシャやブルガリアなどトルコに近い南欧系の人種であった可能性が高いということだ。

 ブラックフェイスとイエス・キリスト、そしてサンタクロースの例でもわかるように、ケリー氏には元々政治、人種、歴史、そして生物学的にも事実に基づかない自分自身の見解を公的に発言する傾向が強いようだ。CBSニュースの10月26日付報道によると、『トゥデイ』のケリー氏によるコーナー『メーガン・ケリー・トゥデイ』はキャンセルされ、ケリー氏は現在NBCにより解雇の交渉中であるという。

 オンエア中に人種偏見的発言をするキャスターを解雇するのは当然だろう。リベラル寄りのテレビ局であるはずのNBCが、元々なぜケリー氏を雇用したのかに疑問が残るところだ。

Text by 川島 実佳