「昔は黒塗りメイクの仮装OKだった」有名キャスターが発言、番組降板することに

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 アメリカでは毎年10月31日が「ハロウィン」である。祝祭日ではないが、多くの人々が思い思いの仮装をして楽しむハロウィンは、1年のなかで子供だけでなく大人も楽しみにする1日だ。しかし、奴隷制度という人種問題に関する重い歴史が存在するこの国では「ご法度」とされる仮装がある。それは、他の人種が黒人を真似て顔を黒く塗り仮装する「ブラックフェイス」である。

◆ソーシャルメディアで拡散しトラブルに
 CBSニュース(電子版)の10月28日付記事によると、ブラックフェイスとは100年以上前からアメリカの演劇界で使われていた、主に白人が黒人の真似をする際の顔を真っ黒に塗る化粧法を指す。近年はそれが、黒人の容貌、そして立ち居振る舞いに対する白人の偏見を表現した、人種差別の一種であるといわれタブー視されているが、アメリカではハロウィンになると、毎年このブラックフェイスをして黒人の有名セレブやドラマのキャラクターなどに扮する人々が出てくる。

 ソーシャルメディアが発展した近年、ブラックフェイスをした人々の写真がことごとく拡散されてトラブルに発展することも多いようだ。

 カンザス・シティ・スター紙(電子版)の10月30日付報道によると、ミズーリ州カンザス・シティ在住の看護師の白人女性とその友人男性が「ビヨンセとジェイ・Z」の仮装としてブラックフェイスをした写真がソーシャルメディアで拡散。女性は勤務していた病院を解雇された。

Text by 川島 実佳