アルゼンチン:#MacriTips -ケチすぎる大統領はツイッターで大人気

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著:Romina Navarro 5月27日から、アルゼンチンのツイッターユーザーの間ではマウリシオ・マクリ大統領に応える形で、ジョークやミームの投稿が大流行している。発端は、アルゼンチン人が電気・ガスの価格高騰の中で、どうやりくりできるかを大統領が提案したことだった。

 マクリ大統領は、アルゼンチンでも一番人口密度の高い首都と郊外において、ガス料金58%、電気料金67%の値上げを決定したが、その値上げを正当化した国民向けのスピーチで、上記の「アドバイス」がなされた。

 「アルゼンチン人はLED電球を使い、ガスコンロの使用を抑え、節約のためにシャワーの時間も短くできる」と彼は言った。大統領によると、これらの提案はスピーチだけでなく意識向上のキャンペーンにも含まれる予定だ。

 マクリ大統領の提案により、アルゼンチンのツイッターでトレンド入りした#MacriTipsというハッシュタグ付きのクリエイティブなジョークが広がることになった。

「もしみんなが使い残した石けんを集めてくっつけたら、毎月の石けんを節約できるだろう」#MacriTips

トイレットペーパーは両面使おう。#MacriTips

あなたと3人のご近所さんが、スープ用の骨を共同購入したら、順番に使っていけるね。#MacriTips

もしも下着を裏返して着たら、あと1週間長く着られるよ。節約しよう!

もしマクドナルドを通りかかったら、トイレに行ってトイレットペーパーを持ち帰ろう。家で流す水と、カロライナ(トイレットペーパーの有名ブランド)を節約できるよ。

#MacriTips シャワータイムにサラダ用の野菜を洗ったら、時間だけじゃなくて水も節約できるよ。

ヒトカゲがいてくれたら、ガスを37%節約できるな。 #MacriTips

◆ある時代の終わり
 アルゼンチンの人々が国の補助金のおかげで約20年にわたり、本来の価格よりも安い値段で生活必需品やサービスを利用してきたということは、忘れてはいけない。

 2016年1月の大統領交代後すぐ、マクリ大統領は支援の必要な家族に対しては無償のままにしたものの、国の補助金撤廃後最初の電気料金の値上げを公式にした。公共交通天然ガス、電気やガスの料金は2017年12月に再び引き上げられた

 それに応える形で、2018年3月、野党の代表は、2017年11月時点の電気、水道、天然ガスの料金に引き戻す法案を提出した。法案は1年間の価格の新たな引き上げと、料金未払いによるサービスの中断を禁止するよう提案している。

 マクリ大統領曰く、「法案は『有害』で、『全ての料金を再び下げることができる魔法の解決法があると思わせる』ものである」とのことだ。

 最終的に、法案は上院により承認されたが、大統領はそれを拒否した

 一方アルゼンチン人は、将来の家計に対する拭えない不安を晴らすようにジョークを作り続け、ミームは拡散され続けている。

もしも活字の本を点字の本に交換したら、暗闇で本を読むときにも電気はいらないね。#MacriTips


This article was originally published on Global Voices(日本語). Read the original article.
Translated by Laura Vidal(en),Ayumi Oda(jp)
Proofreading:Kaori Kuwayama

Text by Global Voices