フッ素なしの歯磨き粉、虫歯予防効果ないと専門家
歯科衛生の専門家は、最も重要な成分であるフッ素が入っていない、虫歯になるリスクを増大させる歯磨き粉を使っている人が増えていることに懸念を示している。
ほとんどの歯磨き粉に配合されているフッ素。保健機関はフッ素の虫歯予防効果を認めているが、ネット上には、主に「自然派」歯磨き粉販売業者や代替医療推進派からの、フッ素無配合歯磨き粉にも虫歯予防効果があるとする意見が散見される。
歯科医の権威はこれに対して異議を唱えている。
「歯磨きで虫歯を防ぐという考えは誤りだと証明することが非常に重要です。フッ素は必要不可欠なのです」と、英国歯科医師会(British Dental Association)科学顧問兼バーミンガム大学歯学部教授のダミアン・ウォームズリー氏は話す。
その見解は、歯科雑誌「Gerodontology」に今週掲載された、虫歯に関する科学論文を再検討した論文によって強調された。その主要な結論は、フッ素を用いない口腔衛生対策は、虫歯率に「何の影響を及ぼさない」というものだ。
歯磨きだけでは虫歯を防げないという考えは、長年にわたって研究者の間で広く認められているが、世間では少々事情が違う。歯科医師は一般的に虫歯対策としてフッ素を勧めるが、歯のプラークを落とす方法でも虫歯を減らせるといまだに信じている医師もいる。2018年8月6日に発表された研究結果は、少なくとも1人の歯科医師を戸惑わせた。