消えたマレーシア航空370便、調査チームが報告書 第三者関与の可能性を排除できず

AP Photo / Vincent Thian

 7月30日、マレーシアが主導した独自調査の結果が報告された。マレーシア航空370便が消息を絶って4年以上が経過した今、政府の対応の不備が浮き彫りになり、同時に「第三者介入」の可能性が浮上した。

 19名の調査員から構成される国際チームが行った報告は、飛行機は意図的に航路を外れ、すべての通信を遮断した後に7時間以上も飛行を続けていたとするマレーシアの主張を繰り返した。

                                                                                                                 

 主任調査官の郭師伝(Kok Soo Chon)氏は、機体の残骸やフライトレコーダーが発見されるまでは、370便が消息を絶った原因を特定することができないと語った。郭氏は、2人のパイロットには飛行機のハイジャックにつながり得る異常な行動やストレスを受けていたことを示す証拠は全く見当たらなかったと語った。さらに、警察の捜査によって乗客の誰一人として航空機を操縦できるパイロットの訓練を受けていないことが明らかになっている。
 
 郭氏は、マスコミへの説明会で「我々は、この失踪事件はパイロットが引き起こした可能性があるとは考えていない」と述べ、「何者かがパイロットを人質に取った、などの第三者による不法な干渉が加えられた可能性を排除できない」とした。しかし、同氏は、370便をハイジャックしたとする犯行声明を発表した組織は存在せず、身代金の要求も一切行われず、真相は謎に包まれたままであり、捜査は警察に一任していたと語った。
 
 さらに郭氏は、「可及的速やかに緊急対応を取らなかった」「継続的なレーダー監視を怠った」「マレーシア航空からの情報を鵜呑みにし過ぎるあまり、軍に通報して支援を要請しなかった」などの航空交通管制の過失が調査によって明らかになったと述べた。

 239名の乗客乗員を乗せて離陸したマレーシア航空370便は、クアラルンプールから北京に向かう途中、2014年3月8日に一切の消息を絶ち、インド洋のはるか南方に墜落した、と推定されている。今回の報告は、航空機が空中で壊れて分解したのか、もしくは、海上への墜落の衝撃で壊れたのかを特定するだけの十分な情報が得られなかったとした。

 航空機の残骸や破片がアフリカの海岸地域やインド洋上に浮かぶいくつかの島々の海岸に打ち上げられており、しかもかなり広い範囲で発見されていることから、370便が墜落したであろう地点は陸地を遠く離れた洋上であると考えられた。しかし、オーストラリア、マレーシア、そして中国の各政府が実施した調査では、墜落地点を特定することができなかった。そして、5月下旬に終了したアメリカの民間企業であるオーシャンインフィニティによる独自の調査によっても、機体の墜落場所を示す手掛かりは何も発見できていない。

 調査チームが開催した説明会の後、370便に搭乗していた人々の家族たちは、依然として未回答の質問や調査が多く残っていることに失望していると語った。

 母親が同機に搭乗していたグレース・ネイサン氏は「何も新たな事実は判明しておらず、定められた手順を踏まず、ガイドラインを遵守しなかった政府機関の失敗が強調された」と述べた。
 
 同氏は、安全性の調査範囲が限定的であり、調査チームは自分たちの捜査よりも他者からの情報に依存し過ぎていた上、捜索範囲について何も言及していないことについて憤りを露わにした。

 ザハリー・アフマド・シャー機長の姉であるサキナブ・シャー氏は、ザハリー機長が罪を問われないことが再び判明したため、「救われる思いがして、嬉しい」と語り、「しかしまだ終わったわけではない。機体を発見するまでは、捜索を継続しなければならない」と話した。

 当局の関係者は、370便の機体がまだ発見されていないため、7月30日の発表は最終的な報告ではないと語った。かねてよりマレーシア政府は、航空機の墜落地点に関する確かな証拠が見つかれば捜索を再開する余地があると表明している。

 マレーシア政府当局者が、ザハリー機長もしくはファリク・アブドル・ハミド副操縦士が墜落を招いた不正な行為に関連したことを示す一切の証拠は見つかっていない、と発表しているにもかかわらず、「パイロットによる単独不正行為」説はいまだに公の場の議論でも根強くささやかれている。
 
 郭氏は、世間があっと驚くような陰謀に思いを巡らせるのは「人間の性(さが)」である、としつつも、チームの調査結果はすべて事実に基づくものだと述べた。

 そして同氏は、警察がザハリー機長の自宅にあるフライトシミュレーターを調べ、様々なファイルの断片から2,700個以上の座標を読み出したと話した。これには、7つの「手動で設定されたウェイポイントの座標」が含まれ、これらをつなぎ合わせるとクアラルンプール空港からインド洋の南方へ飛行する経路となり得るものだが、警察はそれらの座標が単一のファイル、もしくは、異なるファイルから発見されたのかどうかを断定できなかったと郭氏は述べた。
 
 さらに郭氏は、警察は370便が実際に飛行したのと同様のルートを示すデータを発見できず「ゲームに関連したフライトシミュレーション以外の異常な活動」は無かったと断定し、さらに調査員たちは370便の機体に一切の欠陥を発見できず、航空機が遠隔操作されていたという説も否定したと話した。郭氏によると、ボーイング社は飛行機のハイジャックを阻止する技術を持っているが、これまで商用の民間機に対しその技術を適用したことはないという。

 マレーシアのアンソニー・ローク運輸相は、報告された調査結果に基づき、政府はいかなる違法行為についても調査を実施して対策を講じる予定だと述べた。

By EILEEN NG, Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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