プラスチックのストロー禁止、シアトル市 英米各地で規制の動き

Greg Gilbert/The Seattle Times via AP

 プラスチック製のストローでソーダを飲みたい。あなたが仮にそう思ったとしても、シアトル市内の飲食店では、もはやその行為は許されない。

 廃棄物削減とプラスチックによる海洋汚染の防止を目的とする今回の条例では、ストローのみならず、プラスチック製の食器類も対象となる。7月1日に施行された新ルールの下、飲食物の販売を行う事業者は、今後はプラスチック製品を顧客に提供することが認められない。

 シアトル公共事業局によると、シアトル市はアメリカの主要大都市としては初めて、食品サービス業での使い捨てのプラスチック製ストロー・食器類の使用禁止へと踏み出す。環境意識の高い都市として知られるシアトル市は、リサイクルや堆肥化により適した製品の利用を追求し、埋立てゴミの排出削減に積極的に取り組んできた「アメリカの環境リーダー」である。

                                                                                                                 

 シアトル市を本拠とするスターバックスを含め、市内5,000の飲食店では今後、再利用または堆肥化が可能な食器類、ストロー、カクテルピンの提供が義務付けられる。シアトル市はさらに、事業者に対し、ストロー提供を完全に廃止するか、または生分解性プラスチックよりも分解性に優れた紙製のストローに切り替えることを推奨している。

 「プラスチックによる世界の海洋汚染は、もはや危機的なレベルを超えています。今回のプラスチック製ストロー禁止条例の施行によって、我がシアトル市が率先してアメリカの全国民に模範を示せることを誇りに思います」。シアトル公共事業局のゼネラルマネージャー、マミ・ハラ氏は先月そのような声明を発表した。

 ニューヨーク、サンフランシスコなど、アメリカ国内の他の都市でもプラスチック製ストローの禁止が検討されている。

 カリフォルニア州議会では現在、州レベルでのストロー規制を検討している。ただし、そこで今検討されているのは全面禁止ではない。条例案では、各飲食店における基本サービスとしてのプラスチック製ストローの提供を止めさせる一方、顧客からリクエストがあればひとり1本、ストローの提供が可能としている。条例案はすでに州議会の下院を通過し、現在は上院での可決待ちとなっている。

 いっぽうイギリスでは、今年4月にテリーザ・メイ首相が、プラスチックストロー、マドラー、および柄の部分にプラスチックを用いた綿棒の販売を禁止する計画を発表。プラスチック廃棄物は「世界が直面する最大の環境問題のひとつ」だと明言した。

 マリブ市、サンルイス・オビスポ市など、カリフォルニア州の一部小都市では、すでにプラスチック製ストローの使用が制限されている。たとえばサンルイス・オビスポ市では、レストラン、バー、カフェなどの飲食店で使い捨てストローを提供できるのは、顧客が希望した場合に限ると定めている。同市の当局者は、ほとんどの顧客は、ストローが必要かどうか聞かれた場合には「いいえ」と答えるだろうと述べた。

 一方、プラスチック製ストローを禁止する条例案が今年否決されたハワイでは、この種の規制に対して業界団体が反対している。地元新聞のホノルル・スター・アドバタイザーは7月1日の紙面の中で、ハワイレストラン協会とハワイ食品工業協会という2つの業界団体がシアトルでのプラスチック製品の禁止措置に反対を表明したと報じた。

 今回のシアトルの政策は新たな条例に基づくものではなく、2008年に成立した市条例の一部を成すものだ。この条例は、レストランその他の食品サービス事業者に対し、食品容器・コップ・ストロー・食器その他の使い捨て製品を、今後はリサイクルまたは堆肥化が可能なものに切り替えるよう求める内容となっている。

 業界団体「シアトル・レストラン連盟」のスポークスマンを務めるジリアン・ヘンゼ氏は、事業者側はすでに、この条例に対応するための準備を行ってきたとして、次のようにコメントした。

 「この1年近くをかけて、私たちは環境保護を促進し、なおかつ顧客を十分満足させうる新たな商品開発を進めてきました」。

 これまでシアトル市では、代替製品が見つかるまでの移行措置として、一部プラスチック製品の提供を例外的に認めてきた。しかしその後、数多くのメーカーが条例に準拠する代替品の販売を開始したことから、満を持してプラスチック製ストロー・食器類をすべて撤廃する運びとなったのである。

 環境保護団体などは、プラスチック製ストローはリサイクルが不可能で、最終的に海へと流入して水質を汚染し、海洋生物 にも害を与えるとして、レストランその他の事業者に対して使用を中止するよう訴えてきた。

 非営利団体「ロンリー・ホエール」が100以上の有志事業者とタイアップして昨年秋に実施した「ストローなきシアトル」キャンペーンでは、最終的に230万本の使い捨てプラスチック製ストローの削減を達成している。

 海洋汚染を完全に防止するにはプラスチック製ストローの廃止だけでは不十分だが、今回の措置は、廃棄物処理と海洋保護の問題解決に向けた議論を始める有意義な第一歩になる、と今回のシアトル市の政策支持者らは見解を示している。

 シアトル市は、条例施行日までに、プラスチック製ストロー・食器類の現有在庫をすべて使い切るよう各事業者に要請してきた。期限までに在庫を使い切れなかった事業者は、条例遵守に向けた行程表を市と共同で策定するよう求められた。

 条例に従わない事業者に対しては、最大で250ドルの罰金が課される可能性がある。しかしその一方で、市の当局者は、あくまで事業者側の協力を得ながら改革を進めていくとも表明した。

By Associated Press writer Kathleen Ronayne in Sacramento
Translated by Conyac

Text by AP

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