中国の子供、宿題に3時間で世界の3倍 深刻な睡眠不足 親も疲弊

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中国の子どもたちが深刻な睡眠不足にさらされている。中国メディアの騰訊·大渝網によると、小学生の8割以上、中高生の9割以上が夜22時以降に就寝しており日中に強烈な眠気に襲われているという。原因と指摘されているのが「学校の宿題」で、世界平均の3倍となる2.82時間を費やしている。さらに、両親の約8割は毎日子どもと一緒に宿題に取り組み、なかには4時間以上付き添う保護者もいるという。

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◆小学生の8割が毎晩遅くまで宿題……眠る時間がない?
教育アプリの開発を手がける阿凡題がまとめた「小中高の宿題ストレスに関する報告書」によると、18歳以下の中国の子どもは世界で最も宿題を多く抱えていることが明らかとなった。宿題にかける時間は1日あたり2.82時間で、世界平均の3倍にあたる。アジアのなかでは日本の約4倍、韓国の約5倍におよぶ。騰訊網は「宿題にかかる時間は2015年(3.03時間)、2016年(2.95時間)と3年間連続で短縮されたが、依然として世界トップだ」と指摘した。

約3時間かかる宿題は子どもたちの生活サイクルを圧迫している。夜22時以降に眠る学生の割合は、小学生で8割、中・高校生で9割を超える。中国当局の「子どもの食生活ガイド」によれば、十分な睡眠を確保するために、小学生10時間、中学生9時間、高校生8時間が推奨されている。しかし、ある保護者は「毎晩10時30分頃にようやく宿題がおわる。週末も例外ではない」と嘆く。「このままでは3年目には眠る時間がなくなるのではと心配している」と不安を口にした(名城新聞網)。

宿題の長時間化は両親の幸福感にも影響を及ぼしている。同報告書は「91.2%以上の両親が子どもと一緒に宿題をしたことがあり、78%以上が毎日付き添っている」とした。学年が上がるほど同行する時間も長くなり、4時間以上付き添う高校生の親は7%におよぶ。両親にとっては毎日2つの仕事をこなすのと同じで、肉体的・精神的に疲労がたまる。さらに、親子の75.79%は宿題を理由としたトラブルを抱えており、これらが幸福感低下の原因の一つと指摘されている。

◆宿題が原因で身長が伸びない?
長期の睡眠不足は、高血圧、糖尿病、肥満、うつ病などのさまざまな疾患のリスクに関連するとされる。さらに、中国メディアは多くの子どもが本来あるべき身長に達していないと指摘する。成長期の子どもの身長は成長ホルモンが大きく影響すると言われる。しかし宿題による寝不足から54.2%の子どもが遺伝的に期待される身長に達しておらず、「中国の両親は子どもの成長管理を怠っている」と批判した。中国疾病対策予防センター(中国CDC)の蒋競雄医師は「両親の9割は男の子に175センチ以上に達することを希望し、8割が女の子に165センチ以上になることを希望している。しかし子どもの79.9%は期待した身長に届かないだろう」と話した(捜狐網)。

子どもの健康と引き換えに過剰な宿題を課すのは本末転倒ではないだろうか。中国青少年研究センターは「睡眠不足は学習と記憶機能に障害を与える」と警鐘を鳴らす(澎湃新聞)。教育機関を含めて中国社会全体が睡眠不足問題を真摯に受け止める必要がある。

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Text by 古久澤直樹