スポンサー続々撤退 侮辱された銃規制運動の高校生、保守派テレビ司会者に「反撃」

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 今年2月14日に発生したフロリダ州パークランドの高校銃乱射事件から2ヵ月が経とうとしている。銃暴力統計サイト『Gun Violence Archive』によると、死者17人、負傷者17人を出した事件後、平穏だったはずの高校生たちの生活は一変。中でも同校の一部の生徒たちは銃規制法改正を求める運動の先頭に立ち、メディアにも注目を浴びている。

 そんな中で、右派傾向のある米FOXニュースの人気番組『イングラハム・アングル(The Ingraham Angle)』の司会者であるローラ・イングラハム氏が、同校の銃規制運動の顔となった生徒、デイヴィッド・ホッグさん(17歳)をツイッターで個人的に攻撃。騒動はそこから大きくなっていったのである。

◆企業が次々の広告撤退へ動く
 パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校12年生(日本の3年生に相当)のデイヴィッド・ホッグさんは、銃乱射事件でクラスメート17人を亡くした後、新たに巻き起こった銃規制運動を被害者、そして生存者の視点から先導してきた。そんなホッグさんを攻撃し始めたのが、銃規制法に反対する全米ライフル協会(NRA)と、同協会の支援を受ける米政治右派である。

 そんな右派の1人であり、FOXニュースやツイッターでときに過激発言をするイングラハム氏は、先月28日、ツイッターに「デイヴィッド・ホッグは入学申請した大学4校に不合格にされ愚痴を言っている(後略)」と投稿。一般市民、しかも17歳の高校生を槍玉に挙げたことで非難を浴びた。

 それに反応したのが当の本人ホッグさんだった。彼はすかさずツイッターにイングラハム氏の番組にコマーシャルを流す広告主の社名を挙げて応戦。「ローラ・イングラハムの番組に広告を出す会社:1から12の中から選んでこれらの会社に(広告を中止するよう)コンタクトしよう」と投稿したのである。

Text by 川島 実佳