キリスト教への信仰心が消える欧州 ムスリムも増加で変わる宗教地図

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 教会に行かない、お祈りをしない、信仰する宗教自体を持たない若者が、欧州で増えていることが最近発表された研究結果で明らかになった。いまやキリスト教がデフォルトの時代は終わったとさえ言われており、人口減少や移民の増加に伴い、欧州の宗教地図が、今後数十年で劇的に変わるのではないかと予想されている。

◆信仰心が激減。若い世代は宗教嫌い?
 ガーディアン紙によれば、この研究は、ロンドンのセント・メアリー大学の神学および宗教社会学の教授、ステファン・ブリヴァント氏が「欧州社会調査 2014-2016」からのデータをもとにし、「ヨーロッパの若者と宗教」という報告書として発表したものだ。16~29歳の若者を対象としている。

 報告書によれば、もっとも信仰心が薄いのはチェコで、91%が宗教を持たないと回答。エストニアの80%、スウェーデンの75%、オランダの72%がこれに続く。逆に信仰心が厚いのはポーランドで、82%が自分はカトリック教徒だと答え、宗教を持たないと答えたのは17%にとどまった。

 一方、カトリックが主流とされているフランスでは、カトリック信者だと答えたのは23%で、64%が宗教を持たないと回答した。さらに英国国教会(聖公会)の教えを国教とするイギリスでは、同教会への帰属を示した回答者はわずか7%で、70%が無宗教と答えている(エコノミスト誌)。

Text by 山川 真智子